美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

しょうこの《帰ってきたabsolutely alone in 京都拾得》


さて、今夜は、京都の老舗ライブハウス「拾得」で、超久しぶりに、わが愛しの鈴木祥子さんのライブがありました。関西でのライブは久しぶりなので、以前関西でのライブで顔見知りになった方が続々集結し、久闊を叙しました。今回のライブタイトルから判るように「この拾得に、一人で帰ってきたぜ」というコンセプトのライブでした(楽器もアップライトのピアノオンリーで全て一人、でした)。
いつものように、セットリストに感想を挟む感じで、以下に書き記しておきます。ちなみに、この「拾得」というライブハウスは、祥子さんにも我々ファンにも思い出深い場所でして、まず祥子さんがゲストを呼ばず全て一人で行った初めてのライブがここだったこと(何と12年前の2005年12月30日)、他にも年末に寒さに震えながら聞いた事もある場所がここ拾得でした(2006年12月17日2007年12月30日2007年12月31日のライブに関しては、僕の過去に書いたブログ記事をご参照ください。)。
ライブはほぼ時間通りに始まったのですが、久々の関西ということで、元々ノリの良い関西人たちが最初から歓声やら拍手が凄く、祥子さんも「お久しぶりです、この感じ、懐かしい〜!アウェイなのかホームなのか」なんてことをおっしゃるので、調子の良い連中はすぐに「ホームですよ」と合いの手。今日の御衣装は黒のトップスに、エメラルドグリーンのスカートでした。最初に祥子さんは「私、京都に2年ちょっと住んでいたわけですが、京都はなんか、祈りの街、というイメージがあって、ちょっと暗めのセットリストを用意してきてしまいました(笑)」とおっしゃり、始められたのが、内省的なアルバムと名高いもののタイトルチューン
1)Hourglass
でした。この曲をライブで演るのはレアだと思います。
2)Don't wanna be (SAVED)
最新CDに入っている曲ですね。以前、坂本真綾さんに提供した「SAVED」のアンサーソング。その次は「これは京都で作った曲で、鴨川や宇治川の流れを思い出します」とはじめられたのが、
3)愛の名前
でした。この曲、京都で作られていたのか。知らなかった。「私にとって京都は、観光客っぽくルンルン、というわけにはいかない感じがして、心が静かになる場所がありますよね」ということもおっしゃっていました。その次は「愛」繋がりで、
4)この愛を
でした。プロに対していうのも失礼極まりないのですが、この曲と次の曲のピアノ、鬼気迫るものがあったというか、叩き付けているようで音がくっきり際立っていたような気がして「祥子さん、ピアノうめー」と内心叫んでいました。
5)Frederick
ご存じ、Patti Smithの名曲のカヴァー。この曲では盛り上がって、最後のさびの部分をリフレイン。
6)愛と幻想の旅立ち
7)45 minutes
このあたりは、シングルCDやカセットテープで出された音源で、ぱっとは僕も実は判りませんでした。
8)I was there, I'm here
この6曲目から8曲目までは、切れ目なく、シームレスに演奏されました。そして、この後に行われたのは10月9日が誕生日であるジョン・レノンコーナー。これがファンからも事前にリクエストをつのって、数曲やってみるという企画だったのですが、祥子さん曰く「ああ、やっぱり結局これか」という結果になったそうで、「全体で3位だった」ということで歌われたのが、
9)Girl
でしたが、祥子さんは何と「コードがスラブ旋律っぽいというか、似ているので」といって唱歌トロイカ」「小さい秋みつけた」と合体させるという荒技に(笑)。確かに、ちょっとマイナーなコード展開って、日本人好きですよね。関西人なら「パルナスの歌」を思い出すところです(笑)。
次は祥子さんご自身の「リクエスト」ということで

10)Help
が歌われました。ジョンの曲で一番お好きなのだそうです。最後に歌われたのが、アンケート第一位だった
11)Woman
でした。「ちょっと英語の曲が続きましたので、日本語の曲、京都で歌いたいなと思った曲に移ります」といわれて弾かれたのが
12)Weaver of Love〜愛を織る人〜
でした。ライブで聞いたのは初めてじゃないでしょうか(少なくとも、僕はそう)。ある劇のために書き下ろされた曲でしたね。静御前義経の物語だったかな(ご本人のMCより)。この曲は何と嵐の八丈島で着想を得たそうで、激しいメロディは、波にinspireされたそうです。この後は「リクエストタイム」となりましたが、最初に採用されたのが、坂本真綾さんに提供された
13)風待ちジェット
でした(知り合いのリクエスト)。これも京都で書かれた曲。
14)忘却
これもリクエストで最初祥子さんは「これは暗いからやめましょう、沈んじゃう」とおっしゃっていたのですが、粘るファンがいて、結局受諾。
15)Farewell Song
これも聞くのは久々かなあ。最後にはピアノの練習曲みたいなアドリブを奏でて、本編は終了。以下はアンコールです。
アンコールが始まる前に祥子さんは「今日はちょっとバラード多めの暗いセットリストだったんですが、楽しんでいただけましたか?」当然我々は割れんばかりの拍手。「では、お言葉に甘えて、暗めの曲をもう2発くらい」といってはじめられたのが、
e1)東京で生まれた女
でした。関西のファンには(僕の隣に座っていた方は特に)辛抱たまらん曲でしたね。
e2)5years. / And then
このアンコールの2曲は、ともに京都で書かれた曲だそうで、祥子さんも「京都で私、結構良い曲沢山書いてるじゃん」と自画自賛(笑)。そして次は、本当に最新曲(まだCD音源になっていない)
e3)星のまばたき
でした。僕、この曲のイントロの泣かせのメロディが本当に好きで、早くCD音源で聞ける日を鶴首してお待ち申し上げております。「星のまばたき」で終わりかと思ったら、何と最後の最後に、
e4)風の扉
をまずはアカペラ、そして歌詞を覚えているファン有志が合唱というので今日のライブはしめられました。そして嬉しいことに、最後の祥子さんのインフォメーションによると、来年2月頃にまた祥子さんはこの拾得に来てくれるとのこと。当然我々は「うおお〜」と声を挙げました。
ライブの後は、物販に長い列。今日は一人一人と結構お話をされたので、なかなか列が途切れません。僕はアイテムは全て買ってあるので、友人が買い終わるのを待って、その後有志数名で打ち上げ。で、おしゃべりの主だった内容は「今日のライブはピアノも迫力あったし、声も調子よかったよね」とライブの感想から始まって、結局「祥子さんとか、斉藤由貴ちゃんとか、あんな50代、あり得ないよなあ」という所に終わりました(笑)。そしてまた2月の再会を期して、終電で帰宅しました。