美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

鈴木祥子「神戸スペシャル弾き語り編」@萬屋宗兵衛

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24日、神戸元町のカフェ「萬屋宗兵衛」にて、「Will, Way―夢をかたちに 鈴木祥子デビュー30周年 神戸スペシャル弾き語り編」と題して、鈴木祥子さん(以下祥子さん)のライブが行われ、当然のように僕もそれに参加。このライブは、祥子さんのライブで知り合いになったシャインさん(仮名)が企画なさったライブ、ということで、特別な意味を持っていました。

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今年は祥子さんのデビュー30周年ということで、様々なライブが企画されてきましたが、今回のはファンが企画したという特別なもの。というわけで、我々ファンも何か記念の贈り物を差し上げようと、「情熱」「尊敬」「感謝」という花言葉を持った薔薇(深紅・白・ピンク)をそれぞれ10本ずつ、合わせて30本を用意しました(僭越ながら、僕もプレゼンターの一人でした)。それをライブが始まる直前にお渡しし、祥子さんから「すっごく嬉しい」と感謝されましたが、我々としては、「いつもプレゼントをもらっているのはこちら側」という気持ちです、と後で申し上げました。以下、いつものようにセットリストと感想を書いていきます。基本的に、全てグランドピアノによる弾き語りでした。

1)風待ちジェット

これは坂本真綾さんに提供された曲。「2006年、京都に住んでいた時、アニメの主題歌を書かないか、という話が来て頑張って書いたら、コンペに通って嬉しかった」とのこと。

2)45minutes

3)I was there, I'm here

「この2曲は以前の拾得でもつなげてやって、二つで一つみたいな感じになっている」とおっしゃっていました。「昔の曲も用意してきました」といって始められたのが

4)水の中の月

5)空の休暇

でした。祥子さん曰く「今、都心から離れたところ(A市)に住んでいて、周りに何もないところだから、今回の選曲も、どっちかというと内面的(内向的)な感じになった」とおっしゃっていましたが、この2曲が入っているアルバム自体(『Long long way home』『Radiogenic』)が、結構内向的な感じですよね。一番内向的なアルバムだな、と思ったのは『Hourglass』でしたが。

6)愛はいつも

「この曲を出した頃って、湾岸戦争とかがあって、今聞くと違う意味も見えてくる気がする」とも。

7)雨のハイウェイ

8)愛してかんからり

この2曲は原田真二さんのカヴァー。実は祥子さんはデビュー前、原田真二のバックバンド「Crisis」に加入していたんですよね。今回のライブの企画を立てたシャインさんは原田真二の大ファンでもあり、その当時の祥子さん(何とバックで踊ったりもしていたそう)を知っている貴重な方です。「真二さんの日本のロックに対する貢献度はすごい」「真二さんの曲はロックだから(エネルギーが必要で)汗かいちゃった」と鞄からハンカチを取り出す祥子さん。「いつかまた、真二さんとご一緒にライブをやれたらいいなあとも思っています」

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9)Angel

10)Sweet sweet baby

11)夢の庭で

この3曲はどれも懐かしい曲ですね。

12)ノースバウンド・アイランド急行~リミのテーマ

13)Love of my life (Queen)

やはり祥子さんもQueen大好きっ子だったそうな。奇しくもこの11月24日はフレディの命日。ブレディが亡くなったその日、祥子さんは大阪の「FM802」の番組収録のため新幹線に乗っていたそうですが、新幹線の中で号泣して、目を腫らしたままスタジオ入りして、番組スタッフに「分かります」と慰められたそう。「フレディの命日にこの曲を歌えてよかった」と祥子さん。

14)ムーンダンスダイナーで

これまた懐かしい曲。アルバム『水の冠』のラストを飾る名曲(と僕は思っています)。

15)Paingiver(Drum)リクエス

祥子さんはここで「何か聴きたい曲、あります?」とリクエストを募りました。ここで、ファン仲間のりゅうさん(仮名)が「Paingiver、できればドラムでやってくださいますか?」とリクエストしたところ、これが受け入れられ、このライブ唯一のドラム叩き語りになりました。実は僕はドラムの真っ正面の席で、しかもドラマーとしての祥子さんがこの上なく好きなものですから、隣にいらっしゃったりゅうさんを心の中で拝み倒しました(笑)。


Paingiver

「See you next week(来週は三ノ宮の「Chicken George」でライブがあるから)!なんか小林克也さんみたい(笑)、ありがとうございました」といって、本編はここで終了。以下はアンコールです。アンコールも「何か聴きたい曲、あります?」とリクエスト合戦。

e1)Blonde

これはマリリン・モンローの伝記にインスパイアされた祥子さんが作った曲で、これをリクエストしたファン仲間のめんちかつさん(仮名)曰く「女性じゃないと作れない曲」。そのまま、この曲と一緒に作られた

e2)Passion

につなげて演奏。この曲はタイトル通りpassionateな曲。韻を踏む単語が並べられていく歌詞で、僕が昔から好きな曲。

e3)Father Figure

これまたファン仲間のYOHさん(仮名)含め、数名がリクエスト。(自称)ファザコンの祥子さんがその思いを昇華した名曲。

e4)あたらしい愛の詩(元町version)

ラストはこれ。冒頭の「東京の夕暮れは」の「東京」の部分を変えるのが地方ライブでのお約束になりつつありますが「三ノ宮」だと音数が合わないので、ライブ会場のあった「元町」に変更。ラストは会場にいたファンで合唱状態。「愛がただの名前にすぎなくなって ふたりが違う自由を探しても」という歌詞の「自由」を祥子さんが「自分」と間違えたことに気づき、はたと演奏を止めて「でも、自由って、自分と同じことだね」とおっしゃったのが印象的でした。確かに、この歌詞では互換性がある気がします。

今日も至福のライブでした。改めて、祥子さん、いつも「音楽の花束」をありがとうございます。2週連続で、しかも神戸で祥子さんのライブに行けるだなんて・・・。ファン仲間とも「また来週!」といってお別れしました。

最後に気づいたのですが、このライブ会場のピアノの上のレリーフは「Wuelitzer Music」。祥子さんはかつてウーリッツァーの電子オルガンを愛用していました。これもシンクロニシティの一つと思い、写真をパチリ。

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