A Reality Of “Warner” Era〜東京編 at 千駄ヶ谷・ビクタースタジオ302st「紫のクレアシオン」
今日も鈴木祥子さんのライブに行って参りました。場所は千駄ヶ谷にあるVictorのスタジオ。ここは前にも来たことがあります。ということで、僕は2回目。前回は録音する場所である「スタジオシート」でしたので、今回は、偉そうにディレクター気分が味わえる「コントロールルーム」のチケットを買いました。今回のタイトルは「紫のクレアシオン」というもの。紫の「創造 création」、どんなものが創り出されるのでしょうか。
今日は2部構成でした。第1部は「一人多重録音実践編」、第2部は「スタジオライブ編」でした。以下に、セットリストなどを書き記していきます。
「第1部 一人多重録音実践編」
祥子さんは、過去のアルバム『Love, painful love』で、「一人多重録音」というのをやりましたが、まずそれがどのような過程でおこなわれるのか、というのを我々に見せてくれる「実践編」でした。選ばれた曲は「シュガーダディーベイビー」でした(その前に、指ならしというか、前振りであるStyxの「Babe」をつま弾いたのですが)。「多重録音」という名の通り、どんどん音が重なっていきます。順番としては以下の通りでした。
①キーボード(Rhodes)によるコード進行の音の録音
②同じくキーボードによるベースライン
③歌入れ
④ドラム録音
⑤ハーモニー部分の録音
⑥スキャット(「ウー」とか「アー」とか、そういう声の)録音
⑦ダミーヘッド(ダミヘ)を使った間奏部分のナレーション
一番驚いたのが最後の部分ですね。「ダミヘ」なんて言葉が祥子さんの口から聞けるなんて。今まで、声優さんの「ASMR」のソフトでしか聞いたことがなかった(笑)。これだけ重ねて、ようやく曲が完成するわけです。ちょっとPCの調子が悪く、よくフリーズしたので、予定よりも時間がかかってしまいました。とはいえ、やはり久々の祥子さんのドラム、個人的には嬉しいポイントでした。
というわけで、第2部はずんずん歌ってくれました。
「第2部 スタジオライブ編」
ここからは、録音しつつも、普通にスタジオにあるグランドピアノ(P)とキーボード(R)での弾き語り。
「このワーナー時代っていうのは、自分が真実というか、永遠というか、そういうものを求めていた時期で、そういう歌詞が多いと我ながら思います。心の旅というか。今はクリスチャンになって、そういうものにたどり着いた、というと偉そうで大げさですが・・・」という前振りで始められたライブ、1曲目は
1)たしかめていてよ(P)
でした。続けては
2)この愛を(P)
でした。ここでスタジオの真ん中にあったキーボード(Rhodes)に移動。
3)プリヴェ(R)
「私、フランス語をろくに知らないくせに、今回のライブのタイトルとか、この曲とか、使っちゃったりしていますね」
4)Sickness(R)
実はこれ、僕の好きな曲なんですよ。
5)愛は甘くない(P)
6)恋人たちの月(P)
7)不安な色のBlue(R)
この曲は「ちょっと前、京都のライブでやったとき、良いなっていう感触があったので」とのことです。
8)破局(P)
結構速いテンポのこの曲、最初曲名が決まらずに、当時ワイドショーを賑わせていた「梅宮アンナと羽賀研二の破局」から取ったそうです(笑)。懐かしい。イントロをピアノで聴くと、一瞬「バッハでも始まったかな」と思うときがあります。
9)いつかまた逢う日まで(P)
10)Paingiver(R)
今日のライブのラストのこの曲が、非常に出色というか、今までにないアレンジでびっくりしました。僕は「しっとりバージョン」と勝手に名付けましたが、この曲をキーボードで、ゆっくりとした流れて弾き語った、というのはちょっと記憶にないですね。
最後に「自分で何かを探したり、もがいたりしていた頃の曲なので、今歌っても、何かを感じるというか、そういう気持ちになりますね」というMCで締め。
僕は帰りの新幹線に乗るべく、終わったらすぐに駅に直行しました。今日のライブでは、やはり最後の「Paingiver」が一番印象に残りましたね。次回は僕、いけませんので、どなたかのレポートをお待ちしています。