美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

鈴木祥子「A Reality Of “Warner” Era 〜at 二条城 PAGANINI ”紫の影、あるいは誤解”」

PAGANINIの看板

今日の夕方は、久々に京都でおこなわれる鈴木祥子さんのライブに参加しました。会場は二条城裏にある「二条城 PAGANINI」という小さなホール。僕は初めての会場。一階の玄関で靴を抜いて、二階に上がります。そこにはどんと「Steinway & Sons」のグランドピアノとスピーカーのみ。今回のライブツアーのコンセプトは、祥子さんが「Warner」に所属していた頃に作った曲を回顧する、というもの。タイトルの「紫の影、あるいは誤解」というのはどういう意味かは、僕は正直言って判りません。「紫の影」という言葉を聞くとついガラスの仮面』の速水真澄様を思い出しますが、もしやそこから、という疑惑も・・・(笑)。もしそうなら、祥子、恐ろしい子・・・。

90年代後半から2000年代初頭の「ワーナー時代」の祥子さんは、EPIC SONYから離れて、ロック色と内省的な傾向が強まったと恐らく理解されている時期ですが、この時期の祥子さんの曲が大好き、この時期からハマったというファンも結構多いのですよね。以下ではいつものようにセットリストを書き記していきたいと思います。
10分ほど押して、祥子さんが登場、今日の出で立ちはタイトルにちなんでか、赤紫のニットワンピース。非常に艶やかでしたね。今日は休憩なしで、一気に最後まで駆け抜けました。「今日は久々の京都、ということで緊張しています。今日のセットリストは、色んなアーティストに提供した曲もやっていきたいと思います」と言って始められました。

パガニーニの内部

1)ただの恋だから


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2)わたしの望み


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余り関係ないですが(今となっては関係あるか)YouTubeで「わたしの望み」と検索すると、賛美歌がずらっと出てくるんですよね。
3)もう一度


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4)愛は甘くない


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4曲目の「愛は甘くない」は、サビの部分(「ゲームは続いてる、深くなる傷。だけど誰も救えない、孤独は哀しみじゃない」の部分)の高音が出づらかったので、もう一度やり直してクリア。
この4曲を一気に弾き終えたあと「ここからは“旅シリーズ”という感じの曲になります。97~99年頃は、私にとって色々困難なことが多かった時期で、暗中模索というか、逃げられないけどずっと旅をしていたような気持ちでした」と言ってから最初に選ばれたのは

5)南にドライヴして


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でした。
6)The Days Like These(山下久美子への提供曲)


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これを聴くの、僕は初めてだと思います。2001年に提供して、2002年の山下さんのアルバム『ある愛の詩』に収録されている模様。

7)きれいな涙が足りないよ(Puffyへの提供曲)
祥子さん自身「この曲は自分のライブでは2回目、3回は歌ったことないはず」とおっしゃっていました。歌詞についての裏話として、「電車にのったらまた携帯が鳴っている」という部分、本来は「電車にのったらまた携帯がつながらない」という歌詞だったそうなのですが、制作側からクレームが付いて、変更されたとか。祥子さんは「つながらない、というディスコミュニケーションが重要なんですけどねえ」と。

8)たしかめていてよ


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ドラマの主題歌にもなったやつですね。作曲は奥田民生。ワーナー時代の祥子さんの歌は漢字を余り使わず、開いた表記の曲が多い印象。

9)Sickness


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この曲、何となく昔から好きなんですよね。祥子さんは、前回のライブでも同じことをおっしゃいましたが「この時期の曲にはDのキーが多い。教会音楽的には救い、復活 resurrection を意味するらしくて何となく嬉しいんですけどね」
10)とどかないもの


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11)だまって笑ってそばにいる女


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曲名をメモする時つい「だまってそばにいる女」と書いていたのですが、「笑って」というのが肝なのですよね、きっと。
12)Gimmie Some Life


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13)子供の時間


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実は最初、「Gimmie Some Life」の前にこの曲を始めようとしたのですが、イントロを弾いて取りやめて、順番を入れ替えていました。
14)帰郷


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この曲、昔から好きで歌詞は出て来ても曲名が出てこなかったんですよね・・・。僕も衰え始めたか。
15)イケナイコトカイ


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岡村靖幸のカヴァー。もはや持ち歌となっていますよね。我々観客(の一部)も祥子さんに促される形で「合唱」に参加。そういえば、確かお二人は同い年だったっけ(今調べたら、誕生日は一週間違い!しかも血液型は祥子さんと同じB型)。
ここまで歌って「じゃあ、何かリクエストあります?」とリクエストタイムが始まったのですが「何となく今日は歌う気分ではない」のか「次回のセトリに既に入っている」のか、数曲が却下されたのですが、僕の隣にいたライブ友達のYOHさん(仮名)のリクエストが採用され、今日のライブは締めとなりました。
16)この愛を(リクエスト)


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祥子さんご自身がおっしゃっていたのですが、「なんか、今日はエモーショナルな感じ」と言うとおり、今日の僕の印象は「前のめりになって歌っている」というものでした。ワーナー時代の思い出が去来するのか、それとも数年暮らした京都の思い出もあるのか・・・。
今日は早めに始まったライブなので、早めに解散、僕は二人のライブ仲間と軽く夕食をとって帰宅しました。こんなに早い時間に帰宅するのって久々だ(笑)。早くも来月12日の深い藍、愛に至る空虚」(今日とは全く違うセットリストと宣言済み)が楽しみになってきました(こっちのチケットも取っております)。

夕闇に溶けつつあるパガニーニ