美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

zabadak「プログレナイト」@新宿FACE

僕が20年以上ずっと追い続けているバンドzabadakですが、今回は「プログレナイト2013」と銘打って、プログレッシヴ・ロック色の強いインスト曲を中心としたライブというので、zabadakのインスト曲に永年心を奪われている僕としては行かざるを得ない(ちょうど東京に出張もあったし)と思い、行って参りました。メンバーは以下の通り。

吉良知彦(Vo.Gt.)、小峰公子(Vo.Acc.)、難波弘之(Key.)、楠均(Dr.)、吉田誠(B.)、太田恵資(Vln.)、鬼怒無月(Gt.)、オラン(Acc.)、GUEST日比谷カタン

結論から言うと、もう魂を奪い取られたライブでした。「伝説の一夜ふたたび」とチラシにもありましたが、掛け値無しで、「伝説」でした。1日でこんなに僕の好きな曲を全部聴けて良いのか、と思うほど。
1)樹海
のっけから激しい7拍子のこの曲。このライブには、作詞者の松田克志さんもいらっしゃっていたなあ(ドリンクコーナーで、僕の前に並んでおられたので発見)。
2)風の巨人
3)Highland Air
4)クロアゲハ
3曲連続、ライブではめったにやらないインストナンバー。
5)月と金星
この曲で、吉良さんのギターの弦が切れるというアクシデント発生。その張り替えたギターで、始められたのが、以下の6〜8曲の「組曲」。これらの曲が入っているアルバムを何度聞いたことか。「光の王国」は、この曲の原型である「Sunday Morning」バージョンだったですね(歌詞が)。

十二月の午後、河原で僕は夏の風景を思い出していた。

十二月の午後、河原で僕は夏の風景を思い出していた。

6)Kimella
7)12月の午後、河原で僕は夏の風景を思い出していた
8)光の王国
この一大組曲の後は、さすがに「箸休め」的な短い曲が演奏されるだろう、という大方の予想を覆して演奏されたのが
9)桜
だったので、「今日は皆さん、骨の髄までみなぎっている」と戦慄しました。あまりにも真剣に聴かねばならない曲が続いたので、僕などは結構気が遠くなりました(最前列だったし)。その後は、NHKの「みんなのうた」で流された
10)いのちの記憶
でした。2回目の「ライライ」部分入りのフルバージョン。
11)子午線のマリア
12)森林学者〜鏡の森
「森林学者」という激レア曲が流れたと思ったら、それをイントロ代わりにして、ロック調の「鏡の森」が演奏されました。「鏡の森」はzabadakのインストで、僕の中でも一、二を争う好きな曲。

さすがにそろそろ休憩かな、と思っていたら(結局休憩は無しで最後まで疾走しました))、舞台袖の方から怪しげなギターの音が聞こえてきて、日比谷カタンさん登場。今日の恰好は「その服、どんなところで売っているの?」という第一印象(笑)。そして、カタンさんが加わったことで、あまり演奏されない以下の曲が。
13)五つの橋
14)水の踊り
男二人による「水の踊り」。舞台上でも言われていましたが、怪し過ぎる(笑)。そもそも、歌詞がちょっとeroticというかsensualだし・・・。
15)収穫祭
いつものように音数だけ手拍子をしてしまい、手のひらが痛いw。
16)Easy Going
おお、ラストはやはりこれ。
encoreは以下の二曲。
e1)Poland
e2)ガラスの森

上記の映像は、20年前の「のれん分け」ライブの上野洋子さんバージョンですが(僕もその場にいました)、これからはカタンさんバージョンを聞く回数が増えていくことでしょう(それを願っています)。で、今気づきましたが、今回は「森」に関する曲が多いですね(「樹海」も森と言えば言えるし)。
こんな濃い(濃すぎる)ライブは、吉良さん曰く「年に1度」だそうですが、それでも充分すぎます。ツイッターを見ていると今回のライブで「エネルギーを与えられた」という感想が多かったのですが、僕は内容の凄まじさのために、却ってフラフラになったぞ(笑)。これらの曲が1日で聞けるライブが行われようとは、数年前の自分に言っても、絶対に信じなかったでしょう(笑)。今度、iPhoneでこのライブ、もしくはインストだけのプレイリストを作りたくなりました。新しいインストアルバムも発売されましたし、この数日はこれのヘビロテは確定。