美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

『電波オデッセイ』復刻

僕は20数年前の高校時代に『みすて・ないでデイジー』に出会ってからずっと、永野のりこ先生のファン(いわゆる「ナガノ者」)だが(大学に入学して上京して、初めて下北沢に降りたとき「ああ、ここで歩野君とデイジーちゃんがデートしてたんだ」と感激に打ち震えたほど)、このたび、名作の誉れも高いこの作品が復刻したので購入。

電波オデッセイ(1) (fukkan.com)

電波オデッセイ(1) (fukkan.com)

電波オデッセイ(2) (fukkan.com)

電波オデッセイ(2) (fukkan.com)

僕は当然、元の単行本もちゃんと持っているが、書き下ろしのマンガや後書き、そしてコメントペーパーやみなもと太郎先生の解説などを目当てに再購入。
実はこの作品は、大変ヘヴィーなテーマを扱っていて(主人公の原さんはいわゆる「ネグレクト」されている子供だし、拒食症やいじめなど、みな心のどこかに傷を持っている)、僕にとっては辛くて何度も読み返すことができなかった作品でもあるのだ。ということで、ある意味、新鮮な気持ちになって(前に読んだときよりは大人になっているしね。結婚もしたし)、再読。
全編を通して、せっかくこの世に生まれ、様々な体験ができるという「パスポート」を持っているのだから、それを有効に使わない手はないよ、という永野先生の、まるで「オデッセイ」のような優しい声が聞こえてくる。改めて大人になって読み返すと、色々感じ方も違うなあ。これは僕が10年ほど教師という稼業に就いているせいもあるかも知れないが(良い教師だったとは思わないが、一応「見守る」仕事ではあるのでね)。
改めて、早く次の3巻の完結編を読みたい(家にある旧版は、敢えて我慢)。