美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

近世「日本」の範囲と支配構造

今日の院ゼミは、元同僚の水本先生の御著書を読んで、近代史中心の院生および僕が勉強をさせてもらう、といったかたち。要約は近世史のW邊君にお願いしたが。

徳川の国家デザイン (全集 日本の歴史 10)

徳川の国家デザイン (全集 日本の歴史 10)

この時代の大御所のお書きになったものだから、批判とかは出来ようもないのだが、「キリシタンを排除することで日本はアイデンティティを確立していった」という説は、僕が昔院生時代に教えていただいていた黒住先生からも似たようなことを聞いていたなあ、と思い出しながら、水本先生の本と同時並行して、黒住先生のキリシタン論も先週読み返した。
複数性の日本思想

複数性の日本思想

水本先生、黒住先生はともに「何故あの時代にキリシタンという外来宗教が受け入れられたか」ということに言及しておられて、そこが宗教学者の僕としては一番興味深かった。
あと、この本の重要な点として、地方自治のありかたを述べた部分が挙げられると思うが、こういう分野は全く知らないので、僕が学生諸君に聞く形となる(彼らはちゃんと授業で先生の薫陶を受けているはずだからね)。