安易な「他分野交流」への疑問
長々と続く会議の合間、東京大学出版会のPR誌『UP』5月号を斜め読みしていたのだが、阪口秀という先生のエッセイに感銘を受けてしまった(「三人寄っても凡人の知恵」)。「学際的」「異業種交流」「産官学連携」とか様々な形容をして他分野交流が現在どんな分野でも図られている。それ自体に異義はなくても、安直すぎたり、実は他分野のことを本気で聞く気はなく、結局「資金」獲得の口実として利用されているだけ、という現状が少なからずある事への問題提起だった。このエッセイの締めの言葉は、僕が常々考えていることと(目標にしていること)をまさに言い当ててくれている。
1まずは、自分の研究分野での修行を極め、悟りを開くこと、2できるだけ数多くの分野で極められた問題を知ること、3自分の分野と相手の分野の隙間を埋める努力が必要なこと、つまりこれはまさに菩薩様の姿に近づく道のりといえるのではないだろうか。(p.52)
僕などが読んでも解らないだろうけど、この人が編集した本はちょっと気になった。
- 作者: 阪口秀,末次大輔,草野完也
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
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