美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

アイドルがいた時代

今の若い衆(ちょうどこのブログを読んでくれている僕の教え子の皆さんなど)は知らんじゃろうが、昔は芸能界に「アイドル」と呼ばれる者がたくさんおってな、若者はアイドルを熱狂的に支持するというのが一種の「たしなみ」だった時代があったんじゃよ(要するにアイドルに入れあげるのは、オタク的な特権的な趣味ではなく、一種の「通過儀礼」だったんじゃろうな)。つい追憶モードになって、こんな本を買ってしもうた。

元アイドル! (新潮文庫)

元アイドル! (新潮文庫)

インタビュアーの吉田豪さんはわしより一つ上、いわば「同じ空気」を吸っていた世代じゃな。彼はいつものように元アイドルからとんでもない話を次々と引き出しておる。「あの時、そんなことが」「この人、人間的にも面白いのう」とあっという間に読み終わってしもうた。吉田さんも言うように、アイドルというのは、やはりどこか心を壊さない(心が壊れていない)とやっていけない過酷な商売だということが十二分に判る。やはり「業」かのう。
吉田さんの本に煽られた形で、帰り道に寄ったブック○フで、思わず南野陽子の大昔の写真集を買うてしもうた(何と200円だったので、つい)。あの時代のナンノの可愛さは、ちょっと筆舌に尽くしがたかったんじゃ。それを確認させてもろうた。
陽子をひとりじめ… 南野陽子 (Deluxeマガジン―Photographic・magazine)

陽子をひとりじめ… 南野陽子 (Deluxeマガジン―Photographic・magazine)

今の若い衆にいうておくが、20数年前、我々の世代は斉藤由貴南野陽子という二人のB型アイドルに振り回されておったんじゃ(わしが男子校だった、というのも大きいかも知れんがの)。『デラックスマガジンORE』という、我々の熱狂を手助けする雑誌もあったでのう。これからも、吉田さんの仕事は見守っていきたいものじゃ。