美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

まだ30周年の女は〜鈴木祥子ソロライブin京都拾得


一気に春がやってきたような陽気の休日、僕は京都の伝統的ライブハウス「拾得」に鈴木祥子さんのライブを見に行って参りました。ここでのライブは、去年の10月以来、約5ヶ月ぶり。僕を含めた関西のファン(遠征してきた人も多かったですが。一番遠くからはなんとロサンゼルス!)が再び集結しました。今回の客入れのBGMは昨年の今日、東京の音響ハウスで行われたレコーディングライブの音源でした。僕は残念ながら行けなかったので、素直に嬉しかったですが、いきなり「3月のせい」という曲が流れてきて、思わず笑ってしまいました。
ではいつものようにセットリストと感想などを挟んでいきたいと思います。
先程言ったように、開演前には昨年のレコーディングライブ音源が流れていたわけですが、「Angel」という曲が流れていたあたりで祥子さんが登場し(スカートがグレー地の着物のような花柄のものでした)、そのままその曲の続きのサビをアップライトのピアノで熱唱するというスタート。ということで
1)Angel(P)
でした。立て続けに
2)もう一度(P)
3)ステイションワゴン(P)
となりましたが、この「ステイションワゴン」の途中、恐らく似たコードなのか、「You're my everything」に一瞬移行しました。

4)危ない橋(P)
5)センチメンタル・ラブレター(P)
6)ローズピンクのチーク(P)
この曲は、祥子さんが京都に住んでいる時、八坂神社、四条通を一人で歩いている時、周りの家族連れやカップルを見て少しだけやさぐれて(笑)「世間並みの〜」という歌詞とメロディが浮かび、自宅の留守電に携帯から吹き込んで、帰宅後に作ったそうです。
7)Do you still remember me?
祥子さん曰く「この“Do you still remember me?”という曲は、70年代の頃の女性シンガーソングライター、例えば金延幸子さんとかを意識して作ったんですよね。で、今日の前髪も70年代っぽい前髪にしてきました(笑)。」
8)愛は甘くない(P)
9)A型の恋人
「これはアメリカンなノリの曲ですね。」「これから気持ち悪い語りが入ります(笑)」と間奏部分での語りの時におっしゃいました。
ここで一段落付いて、祥子さんが今回のライブについての説明をはじめました。祥子さん曰く「今日のライブのテーマは私にとっての70年代、というものなのですが、今回のセットリストも、私の中で70年代を感じる曲を意識して選んでみました」「やはり、60年だ、70年代生まれの違いというか、物心ついて見たもの、聞いたものの違いというのはあって、70年代はふわっとしたフィーリングで押し通せるというか、それまで理由をちゃんと述べてきたようなことをフィーリングで言っちゃう、という面があったような気がします(大意)」「で、70年代は名だたる作曲家、作詞家が「歌謡曲」というのを作って、それに対抗するフォーク、ニューミュージックなどがあり、お互いを高めていたと思います」
そして70年代の祥子少女に深い印象を与えた曲を3曲連続でカバー。まず一曲目は「私が家庭用のカセットレコーダーに初めて吹き込んだ曲」という
10)赤い風船(浅田美代子)(P)
が披露されました。
僕は残念ながら反応できなかったのですが(当方71年生まれ)、60年代生まれの観客は大喜び(笑)。
11)ぼく(松本ちえこ)(P)
祥子さん曰く「僕、という自称の女の子というコンセプトは非常に斬新で早かったのでは」「松本ちえこさんは、隣にいそうで、でもやっぱりいなさそうと言う身近なアイドルの先駆けだったのでは」。

12)逃避行(麻生よう子)(P)
祥子さんが好きな「70年代の白眉」とまでプッシュする曲。
取り敢えず70年代カバーはここまでで、祥子さんのオリジナル曲に戻ります。
13)ラジオのように(P)
14)sweet serenity(P)
これはリクエストから。
15)sickness (P)
これもリクエスト。リクエストした人、ナイス!僕も好きな曲です。

16)月とsnapshots(P→D→P)
これは知り合いのRさんのリクエスト。これを聞いた祥子さん「出たよ、これ!(会場爆笑)」でもノリノリで演奏して、ピアノの横に設置してあったドラムセットに「あら、こんな所にドラムが」などと言いつつ移動。ドラマーとしても祥子さんが大好きな僕は、真っ正面で拝見でき、感無量。
17)ノースバウンド・アイランド急行〜リミのテーマ(新曲)(P)
祥子さん曰く「たまたまですが、さっき歌った「月とsnapshots」の2018年度版というか、女がどこかに生きたがる、という曲ですね、これ」
18)星のたばたき(P)
何度も聞いていますが、早くCD化してください、と懇願したくなる美メロの曲です。
祥子さんは少ししんみりとしながら「デビューしてから20年経った時、その時もう10年続けられるか、自分でモチベーションを保っていけるのか正直わからなかった。でもこの30周年に至ることができたのは、間違いなく(目の前にいる)皆さんのお陰です。ありがとうございます」と言うようなことをおっしゃったので、こちらとしても有難いというか、「いつもプレゼントをもらっているのはこちらですよ!」と言いたくなりました。
本編はここまで、以下はアンコールです。
e1)二人の願い(新曲)(P)
これは祥子さんが沖縄旅行中、安座真で着想した曲だそうです。
e2)恋のショットガン(懲りないふたり)(P→D→P)
慌てて控室から戻った祥子さん、靴も履かずにどかどかと最高のドラムを聴かせてくれました。これにてライブは終了。
僕は今回祥子さんが歌った70年代はリアルに感じることができない世代なわけですが(70年代末期なら何とか)、僕にとっての80年代などは、まさに色んな僕の趣味の基礎を作っているよなあ、と改めて考えたりしました(あとの打ち上げで、ファン仲間で斉藤由貴ちゃんの話題で盛り上がってしまいました(笑))。そして次はデビュー30周年の記念ライブが京都と東京で7月に行われることも正式発表。僕は恐らく京都会場に駆けつけることになるでしょう。