美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

植民地と葬送に関する本を

先日街中に出たついでに、植民地朝鮮や満州国、そして最近学生の影響で気になっている(卒論のテーマで葬送の変化を追いたい、というのがいるのだ)「葬送」に関する学術書をまとめ買い。

開港期朝鮮の戦略的外交 1882-1884

開港期朝鮮の戦略的外交 1882-1884

知り合いの朝鮮近代史研究者の酒井さんの単著。祝、ご出版!友人の本は「俺が買ってあげないと大変なことに」と思いつつ買っております(笑)。数年間の朝鮮近代の外交の変化をインテンシヴに追いかけたもの。渋いテーマ。訳者が、これまた知り合いの庵逧(あんざこ)さん。農業は「植民地近代化論」でも常に焦点となるテーマ(植民地権力が農業の発展に寄与したのか、それとも小作制度などを強化したのか、等)。
朝鮮の女性(1392‐1945)-身体、言語、心性 (クオン人文・社会シリーズ)

朝鮮の女性(1392‐1945)-身体、言語、心性 (クオン人文・社会シリーズ)

タイトル通り、朝鮮の女性を巡る学際的なシンポをまとめたもの。これも出版を心待ちにしていたもの。最近、植民地におけるモダンボーイ、モダンガールについての研究は徐々に増えているが、この書もその流れに棹さすものとなるだろう。表紙の写真、美人が写っていると思ったら、有名な舞踏家崔承喜でした(資生堂のモデルとかもしてたっけ、彼女)。沖縄人、台湾人と、帝国日本でマージナライズされた存在の交錯を小説やラジオドラマからも浮かび上がらせようとしたもの。
女たちの満洲―多民族空間を生きて― (阪大リーブル)

女たちの満洲―多民族空間を生きて― (阪大リーブル)

  • 作者: 生田 美智子,藤原 克美,阪本 秀昭,中嶋 毅,ハリン イリヤ,林 葉子,伊賀上 菜穂,メリニコワ イリーナ,深尾 葉子,花井 みわ,思 沁夫
  • 出版社/メーカー: 大阪大学出版会
  • 発売日: 2015/04/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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満州国におけるさまざまな女性たちの研究が集められていて、面白そう。
動植物供養と現世利益の信仰論 (考古民俗叢書)

動植物供養と現世利益の信仰論 (考古民俗叢書)

おお、これだけ動植物供養についてまとめた研究はなかっただろうな、と思って購入。
葬式は誰がするのか: 葬儀の変遷史

葬式は誰がするのか: 葬儀の変遷史

新谷先生の本から、この手の問題は入るっていうのが習い性になっているな、僕は。これもいろいろな専攻の者が集まった研究会の書籍化。
盆行事と葬送墓制 (歴博フォーラム)

盆行事と葬送墓制 (歴博フォーラム)

関沢先生の編集だが、この本にも新谷先生が関わっている(まあ、当然か)。