美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

NHKスペシャル「プロジェクトJapan」

龍馬伝の延長で、そのままNスペの「日本と朝鮮半島 第5回 日韓関係はこうして築かれた」を見る。今回は戦後の日韓関係がテーマ。日本の植民地支配とそれに対する補償問題が、国交正常化の足かせになっていたのはよく知られているが、結局は経済発展を最優先する朴正熙政権によってその辺がなし崩しになり、現在に至っているわけだが、にしても、岸信介とか、中曽根康弘とかの「反共保守」の面々の働きぶりがよく判る作りになっていたと思う。もう一つ言うなら、この番組が、非常に分かり易い「ポストコロニアル」状況の教科書になっていたとも思った。要するに、旧宗主国は旧植民地に独立後も結構色々要求するし、旧植民地もある程度それを受け入れざるを得ない、ということとか。もちろん、朴正熙をはじめとして、当時の韓国首脳がほとんど日本の教育を受けてきた「エリート」であったことも、ポストコロニアル的な意味で重要だが。
日韓交渉のことは、僕の専門ではないので、細かいことは、友人でもあり、この番組にも出ていた吉澤さんの本を参照のこと。

戦後日韓関係―国交正常化交渉をめぐって

戦後日韓関係―国交正常化交渉をめぐって