美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

新幹線の中で

昼からビールを飲み、すし弁当を食しつつ(ともに伊勢丹の地下で購入。ビールは川越で作られているブランド「COEDO」)、読書。

なぜ、腐女子は男尊女卑なのか? ―オタクの恋愛とセックス事情 (アフタヌーン新書 003)

なぜ、腐女子は男尊女卑なのか? ―オタクの恋愛とセックス事情 (アフタヌーン新書 003)

まあ、休日の昼にビール飲みながら読むにはこれくらいのがちょうどいい。いわゆる「腐女子」自身が自分たちのことを分析、というのがこの本の売りだが、どうしてもこの手の議論は「私の周りの○○が言うには」というような感じで、身近なサンプルを基に語るスタイルになるので(それはそれで誠実だとは思うが)、つい「根拠は?」といくつも聞きたくなってしまうのも事実(あと「フェミニズム」って言葉の意味、ちゃんと判って言っているの、と聞きたくなる部分もあり。特に第4章)。例の杉浦由美子さんの「あざとさ」を指摘した部分は思わず笑ってしまったが(pp.54-55)。いくつかのブログですでに指摘されているが、文章が「おねえ」っぽいのも気になっていた(「男が書いただろ、これ」とは断言できないにしても)。
まあ、内容はとくに取り立てて論じるほどのものはなかったが、ちょっとまじめに考えると、これは社会調査とか、文化人類学的なエスノグラフィとかにまつわる問題系なんだよね。ご本人たちの意見は尊重してなるべく聞かねばならないけど、彼らの発言がすべて正しいわけではもちろんないし(事実関係にしても、political correctnessにしても)。だから学問的にこういう問題やろうとすると、いろんな方面に「いい顔」しなくちゃいけなくなるんだよねえ。ま、腐女子の皆さん自身が「私たちのことは、ほっといてください」と要求していることが一番の壁かもしれないけど(昨年の記号学会@京大もそれで荒れたわけだし)。