美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

研究会出席

今日は朝鮮史研究会関西部会の月例会。内容は先日まで読んでいた友人板垣君の本の書評と、美術史がご専門のK先生のご発表。

朝鮮近代の歴史民族誌

朝鮮近代の歴史民族誌

板垣君の本の書評者はM田先生。先生の書評は簡にして要を得たもの。書評というのは、どうしても「無い物ねだり」になりがちだが、今回は特にその傾向が強かったと言えるかも知れない。僕も質問と言うよりは感想&無い物ねだりを一言だけ発言する(他の資料が出てきて比較できれば良かったね、という類の)。
K先生のご発表は、近代朝鮮に日本からもたらされた「美術」という概念及び制度が向こうでどのように受容されたか、という問題を巡ってのもの。特に日本側の朝鮮美術に対する評価を単に「帝国主義的意識がダダ漏れ」と安易に断罪するのではなく(当時は肩肘張らずに、ナチュラルに差別していた、ということが重要)、そういう判断の根拠や、それをある程度まで受け入れざるを得なかった朝鮮側の問題として考えてみよう、というものだったと思う(間違えていたら済みません)。昔僕もいわゆる「停滞史観」を唱える学者のナチュラルな朝鮮人差別(日本型オリエンタリズム)を扱ったことがあるので、どうしてもそっちに引きつけて発表を聞いてしまったきらいがあるけど。