美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

トリレンマ

耳慣れない言葉が学生の口から出ると、焦ってしまう。今日の基礎ゼミで、コメンテーターのS藤さんが、コメントレジュメでこの言葉を出してきて「え、何だっけ」「これは正しい使い方かな」と思い、ちょっと彼女に質問したり、僕も適当に説明してその場は納めたのだが、講義のあと、僕の説明は正しかったのか不安になり、ちょこちょこ調べる。まあ、それほど大ハズレでもなかったようで安心。論理学には弱いのだ、僕は。
僕の手持ちの英和辞書では「三刀論法」なんて書いてあった。三つどもえというか、三者択一というか、三つのことが同時に成立できない状態のことだが(二つだとジレンマ)、今回の基礎ゼミの隠されたテーマは「報道の自由」「知る権利」「人権・プライバシーの尊重」というのがテーマだったから、この三者の関係を考える際にS藤さんはトリレンマという言葉を思いついて使ったのだが、僕はどうしても「報道の自由(マスメディア)」が他の2者の間の綱引きで浮いたり沈んだりするイメージだったので、ちょっと位相が違うんじゃないかな、と思ったのだ。「知る権利」と「人権・プライバシーの尊重」なら、単純なジレンマ問題だが。