美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

○魔

「○魔」の○には何が入る、と聞かれれば「悪魔」だとか「色魔」だとか「遅刻魔」とか、ろくな言葉が出てこないが、「学魔」というのは思いつかなかったね。自称でこのような言葉を使う自信が羨ましい。英文学者の高山宏先生のことだが、実は彼の本を読むのは久々のことかも(彼が翻訳したものは最近スクリーチの『春画 (講談社選書メチエ)』を読んだが)。このブログの記事にも触発されたので、昨日の帰り道で購入。

超人高山宏のつくりかた (NTT出版ライブラリーレゾナント)

超人高山宏のつくりかた (NTT出版ライブラリーレゾナント)

まあ、この本に興味が出たのは、四方田犬彦先生とわたし』がらみなのだが。
大学入学当初は、高校時代から読んでいた澁澤龍彦(兄貴が愛読者で、それを横で拾い読みしていた)の延長線上にこういう人(要するに山口昌男由良君美の弟子達)たちが僕の目の前に現れて、こういうのを読まなくちゃという雰囲気が多少残っていたが、僕自身文学より社会学的な発想の方が馴染むようになってしまい、ちょっとそういう世界からは遠ざかったんだよね。
うねうねした変な文体なのに、読まされてしまう力業に脱帽。
追記:高山先生も書評ブログやってたんだ。見逃していたぜ、不覚。