美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

たまにはこういう「正統派」も

出張やら学会やらで忙しく、読めていなかった谷川史子さんの漫画を、今日は半身浴しながら読む。

清々と 1 (ヤングキングコミックス)

清々と 1 (ヤングキングコミックス)

清々と 2 (ヤングキングコミックス)

清々と 2 (ヤングキングコミックス)

名門女子高校を舞台にした、「正統派」少女漫画といえよう。コンセプトは志村貴子さんの『青い花』と似ているが、こっちの方がより「古典的」。何たって「眼鏡取ったら美少女」というのをこの時代にやっちゃうんですから。これは、男性が読者の大半を占める雑誌連載ということもあって、かえって新鮮かもしれないな。今の若い者は、乙女チックな少女漫画を読んでいないだろうし(僕は年の離れた姉兄がいるおかげで、太刀掛秀子田渕由美子をしっかり読んでおります。谷川さんも『りぼん』出身だよな。彼女の少女漫画の「文法」はそのあたりがルーツだろう)。
僕は昔から時々谷川さんの漫画を読んでいるが、絵も話も可愛く好みは好みだが、実はそれほど印象に残った話は多くない。だが、この『清々と』は、おそらく記憶に残る作品になりそう。高校時代に読んでいたら、隣の校舎の女子部に、清らかだが間違った方向の「妄想」を抱いていたに違いない(僕の出身校は男女別学でした)。
でも、今回一番印象に残ったのは、2巻の巻末の「ネーム」。ネタバレになるからこれ以上言わないが、かなり衝撃的。