美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

ヴィクトリア時代物

昨日から、ゼミ生のO田さんに借りたこのマンガを読んでいる。一言でいうと「ひどい」(笑)。何がひどいかって、作者のキャラいじめがだよ!!山岸凉子先生に匹敵するよ、このキャラいじめは。

Under the Rose (1) 冬の物語 バースコミックスデラックス

Under the Rose (1) 冬の物語 バースコミックスデラックス

Under the Rose 6―春の賛歌 (バーズコミックスデラックス)

Under the Rose 6―春の賛歌 (バーズコミックスデラックス)

今のところ、この6冊を読んだんだけど、いやあ、くらいね。同じヴィクトリア時代を扱った森薫先生の『エマ』を思わず「口直し」に読んじゃったよ(笑)。なんてハッピーなんだ、こっちに比べて。
といいつつ、『Under The Rose(確かに、このタイトル通り「秘密」を巡る話だよな)』、嫌いじゃないんだけど、出てくるガキどもになかなか感情移入できなくて、読み進めるのが辛かったのも確か。でも、2巻から家庭教師のブレナン先生という「感情移入できるキャラクター」が登場して、俄然読むスピードが上がったな。決して眼鏡っ子だからとかそういうことではなく。
で、実は僕は昔から19世紀末くらいのイギリスの雰囲気が何となく好きで(といっても、マニアでは全然ないけど)、学生時代はトマス・ハーディやオスカー・ワイルドを結構読んだりしていた。特にハーディの暗さが、高校生から二十歳前後の僕は好きだったなあ(『テス』『日陰者ジュード』『帰郷』とか長編を結構読んでた。短編も好き。お勧めは『ハーディ短編集 (新潮文庫 ハ 7-1)』。この中にある「アリシアの日記」なんて、良い意味で昼メロっぽいです)。このことを以前飲み会で、イギリス近代史やっている同僚にいったら「え、(明るそうな川瀬さんが)、何でハーディみたいな暗いものを」とか言われちゃったけど、この世俗化した日本で、敢えて「宗教学」なんて専攻を選ぶ人間が、根暗じゃないはずないでしょーが(笑)。