美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

出席しなくても・・・

僕もブックマークしてしまったこのエントリ。

まず始めにお話しなければならないのは、大学の先生によって講義の成績の決め方は二通りに分けられるということです。それは、「出席を大きな評価基準にするかしないか」。この点です。
その講義では出席は余り重視されず、レポートやらテストやらで成績を決めるものでした。しかし、その講義の中でとある学生が主張したのは「出席を取らないのはずるい。講義に出てこない人でも出てきている人でも、同じ成績が貰えるのはおかしい」ということでした。
大学で出席しないのは「ずるい」?

これは古くから続く問題。大学は基本的に出席を強制される部分が少ないから(語学と体育と実習は別)、どうしてもこういう問題は起きちゃう。教師側として、ちょっとつらつら書いておこうと思います。
僕個人のことを言うと、僕は「基本的に重視しない」派です。特に、僕が一方的に喋る講義では、出欠は取ったことがありません。授業の感想を最後の時間に書いてもらったりしたことはあるけど、いわゆる「出席点」に加味したことはありません。ただ、ゼミ形式の授業は「参加して喋る」事が重要なので、一応出席は取っています(でも、これも成績付けるときに参考にする程度)。最近はシラバスに「出席を成績にどれくらい反映させるか書け」と要求する大学もあるんですよね。去年行った非常勤先がそうで、僕は敢えて「出席点0%、レポート100%」と書き込みました(たかが一人の非常勤に、その大学も怒るようなことはありませんでしたが)。
何故出欠を取らないかというと、まずは面倒くさいから、というのが一番の理由ですが、格好つけて言うと、「僕の話を面白がって聞いてくれる学生だけ残ってくれればいいや」と思っているからです。何週間か経過して学生がそれほど減らないと「なかなか俺もやるじゃない」とほくそ笑みますし、どんどん減っていったら「やっぱ、俺はダメだ」と落ち込みます。
出席させようと思えば、ある意味簡単です。例えば「3回欠席したら、この講義の単位はないですから」とシラバスに書けばいいだけです。でも、そんなことして、やる気もない奴が一定数以上出てくると、これは経験則ですが、教室の雰囲気が悪くなるんですよねえ(笑)。「早く終われ〜」「うぜ〜」という負のオーラを馬鹿にしてはいけない。あれは教師も真面目な学生も覿面にやられます。
あと、学部生時代、ある講義で「僕は毎回出ていたのに」と抗議する学生が、先生から「毎回出ていて、こんな解答だったのか?」と言われて返り討ちに遭った現場を偶然目撃している、ということも大きいかも知れません。あれは印象的だったよなあ。可哀想、と思うのと同時に、大学の成績はかくあるべし、と思いましたね。今のところ、この手の抗議や落とした学生からの抗議はありませんね(僕が落とすのは余程のことです。コピペも今までいくつか発見して全て落としていますが、彼らも自覚があるのか、抗議は無し。まあ、コピペで済まそうとする授業なんて「単位がもらえればラッキー」くらいにしか考えていなくて、こちらが思っているよりもダメージが少なそうで、却って腹が立ちますが(笑))。
まあ、人は人、自分は自分と思いなさいな、というしょーもない結論ですね、僕としては。「あいつはずるい。要領が良い」と心の中で毒づくのは自由ですが、少なくとも真面目な学生を見落とすほど、我々教員も目が節穴ではないつもりですので、その点はご安心くださいとしか言いようがないですね。