美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

色々な委員を

今日は学部の会議日。会議そのものはそれほど長引かずに終わったのだが、今日は二つの委員を仰せつかる羽目になってしまった。僕もそういう年になったというか、「まあ、あいつで良かろう」という集合意思が何故か僕に向かっているというか。まあ、僕と同様のことを思っている同僚(例えばA木先生)もいらっしゃると思うが。「何故、俺なんだ」と。
さて、今日は会議中に久々に発言してしまった。これは学部の会議の議題ではないのだが、来年のシラバスに関することである。文部科学省のアホな通達(はっきり言う)によって、シラバスの記載が妙に細かく規定されつつある。例えば半期なら14回(もしくは15回)どんな授業をするかを一つずつ書かねばならぬとか。そのせいで、冊子形式のシラバスが分厚くならざるを得ず、少なからぬ大学でシラバスは既にCD-Rで配布されていると聞くが、その波が僕の大学にもやってきそうなのだ。僕は、断固反対。CD-Rで配布すると、学生は目の前の画面に映っているシラバスだけに目を奪われ、隣接科目のシラバスに目を通すことが劇的に少なくなるし、大学内での「偶然の幸福な講義との出会い」の確率はこれまた劇的に低下するであろう。パラパラ斜め読みができるツールである「紙」は、実に代え難い「力」を持っているのだ。これは、普通の本でも同じ。僕は何でもググるより、大きな図書館や書店に出向き、その背表紙を舐めるように眺めることを学生に推奨しているが、僕の意図を理解してくれるのは非常に少ない(教員はほとんど諸手を挙げて賛成してくれるものと信じるが)。
まだ、完全な決定事項ではないので、実際4月にどうなるかは判らないのだが、なるべく紙の形が残ることを希望する。学生さんには悪いが、授業料を二千円くらいアップしてでも、紙媒体でシラバスは配るべきだと思う(確か内田樹先生も、CD-Rシラバスの弊害を語っていらしたと記憶している)。