美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

近代日本における宗教と「医療行為」

大袈裟なタイトルだが、実は来年度の講義では、そういう内容のことを半年喋りたいなあ、と思って今参考文献を集めたりパラパラ眺めているところ。明治の初期から「啓蒙的」政策により「怪しげ」な宗教的治病行為は禁止されていくし、「神がかり」は「精神病の一つ」とされていくし、「心霊現象」を色んな手法で扱う流れ(学問的だったり、オカルト的だったり)も20世紀初頭から出てくるし、というようなネタです。
要するに業界的に判りやすく言えば、川村邦光先生や津城寛文先生や吉永進一先生のようなことをやりたいわけです(判り易すぎか)。勿論、僕の師匠たる島薗進先生の業績も当然参考にするつもり(例えば『“癒す知”の系譜―科学と宗教のはざま (ニューヒストリー近代日本)』は必読なのは言うまでもない)。
てなわけで、今日は学生の論文指導が終わった後は研究室で川村先生編の本を流し読み。

憑依の近代とポリティクス (日本学叢書)

憑依の近代とポリティクス (日本学叢書)

今日読んだのは、川村先生のと、塩月亮子先生の論文。兵頭晶子さんの論文は、彼女が単行本にまとめた方で読んだ方が手っ取り早いか。
精神病の日本近代―憑く心身から病む心身へ (越境する近代)

精神病の日本近代―憑く心身から病む心身へ (越境する近代)

追記:ブクマにお返事。kogarasumaruさん、上記の講義案では、ホリスティック医学とか、神智学、人智学、民間療法なども含めて、宗教性を帯びて、心身に何らかのテクニックを施そうとした色んなものを想定しています。外延はどんどん広がっていくばかりなので、論文や講義で話す時にはいくつかの具体例に限定しなければいけませんが。