学者の「寄り添い方」
今日は憲法記念日。妻はそれ関係の集まりに出かけ、僕は留守番しながら(BGMはなぜか最近妻がはまっているPerfume『GAME』)、来週のK林ゼミで取り上げるこの本を読んでいる。
- 作者: 野上元
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 2006/02/01
- メディア: 単行本
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今、ちょうど半分くらい読み終わったところだが、これほど彼の本が「文学研究」っぽいノリとは想定していなかったので、多少戸惑っている(もっと社会学社会学しているのかと勝手に想像していた)。てな訳で、僕のような(文学研究から遠い)人間には、ちょっとよく飲み込めない感じではある。
冨山一郎さんの『増補 戦場の記憶』なども彷彿とさせるこの本だが、両者に共通している意識は「学者は語られる体験にどのように寄り添うべきか」という倫理だ。僕も一応近現代史および「宗教」を研究している人間なので、このような学者としての倫理はよく考えるところだが、自戒すべきは倫理的であれと自分に課すあまりに却って対象と乖離して自分の中でグルグルしているだけ、ということにならないようにするということだ(野上さんや冨山さんがそうだと言っているのではない。あくまで自戒である)。