美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

アジアを主体的に考える

アジア/日本 (思考のフロンティア)

アジア/日本 (思考のフロンティア)

お隣のK林ゼミが今週この本を取り上げると聞いたので、僕もちょっとお邪魔することに決め、この本を読み終わる。口語調で読みやすいし、一応僕もこの時代の専門家の端くれなので(実は、修論のテーマはアジア主義だったりする)、余り引っかかるところはなかったけど、沖縄についての話はほとんど知らないことばかりだったので、参考になった。
戦後の日本をさして竹内好は「アジアを主体的に考える姿勢を失った」と評した。戦前は侵略とかアジア主義の形を取ったとはいえ(竹内は勿論これらの思潮に対する批判を説いている)、まだ主体的だったという檄だが、今現在の日本もリアクションとして中国や韓国に対峙している気がする(特にこのネットの言論空間では)。リアクションは、相手次第だから、相手に依存しているんだけどなあ、なんてことを思いつつ読んだ。