師弟関係
大学院に残って研究者を目指すと、前近代的とか何とかいわれようが、ある種の師弟関係が発生するのは避けられない(僕は幸いに師弟関係に関しては恵まれた環境で育った。僕を先生としてしまった学生が幸せかどうかは知らない。せめて「不幸ではなかった」と思ってくれればいいが・・・)。
ということで、この本も購入。
- 作者: 四方田犬彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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小林龍生氏のブログのエントリも参考に。
追記:面白くて一気読み。ここまで強烈な師弟関係は経験しなかったし(これからどうなるかは判らないが)、やはり四方田先生という「選ばれし弟子」の特権的な、そして栄光を背負った回顧談だとは言えるだろう。まあ、これほど優れた師匠とバトルをしちゃいましたと回顧できるだけでも、十分「幸福な体験」である。
もう一つ付け加えると、別に「万人が認める偉人」であることが師匠である必要条件ではない。逆に「この人の真価を理解できるのは僕だけだ」という倒錯した憧憬と密かな自尊心を抱くことができる相手なら、世間がなんといおうと師たりえる(下手すると共依存だが)。
また何よりも、学界ゴシップの一種として楽しめてしまうのも事実(出てくる固有名詞の何人かは、実際に知っている方々だし)。
でも一番驚いたのは、中国文学の藤井省三先生や八幡書店の武田崇元氏も由良ゼミ出身だったってことだ。研究室に置いてあった由良君美編の本と、由良ゼミになじめなかった船曳先生の回顧録まで引きずり出しちゃったぜ。
- 作者: 由良君美
- 出版社/メーカー: 自由国民社
- 発売日: 1985/05
- メディア: 単行本
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- 作者: 船曳建夫
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 単行本
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