美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

このオッサンは・・・

朝刊(朝日)を読んでいたら、国立大学交付金の見直しの提言をしている伊藤忠会長の丹羽とかいうオッサンが好き放題なことを喋っている。「金太郎飴みたいなミニ東大の総合大を各県に作ってきたこれまでのやり方を改め、それぞれ個性を発揮すべき」って、あんた、地方大が「ミニ東大」だったことが一度でもあるのかっていうの、全く。
今、僕は地方公立大勤務の身だが、時々学会とかで「母校」に帰る度に「うわあ、ここには金がうなっているなあ。昔、僕は恵まれた生活をしていたんだなあ」というのをヒシヒシと感じまずぜ。
今ですら、東大や京大をはじめとする旧帝大が、大学の規模それ自体がでかいのも手伝って、国立大の予算の殆どを分捕っていて(という表現はまずいかも知れぬが)、ここに競争原理のエキスを加えれば、元々強いところが「個性」を発揮してまさに「winner takes all」になるのは目に見えている。
競争にそぐわない分野(文学部なんて、その典型だけど)のフォローはどうするのか。というより、企業が採算を考えてやらないようなことを研究するのがまさに大学の使命というか、レゾンデートルなわけで、それを忘れたら、国際競争力どころか、日本の教育及び文化の破滅だぜ(裾野が広くなければどんな分野だってダメになるに決まっている)。