啓蒙と自己決定の相克
小田中先生の本を読んでいて、こういうフレーズに行き当たり、昨日頭の中で「paternal」だとか「maternal」とか考えていたこととのシンクロニシティを(大袈裟だが)感じてしまった。
- 作者: 小田中直樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/06
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他方で、総動員体制論は、どんな他者啓蒙の試みも、しょせんは自律を口実に「全体に奉仕する主体」をつくりだすにすぎない、というが、これまたなんとなくピンとこない。(p.109)
以前、京都に中野先生を招いての合評会が開かれ、僕も参加したのだが、丸山真男と大塚久雄へのある意味仮借ない責め方に僕は「そこまで言うことないんじゃないのかな」と甚だ非学問的な感想しか持てなかったのだが、確かにパターナルな「啓蒙」と、自己決定の相克と考えれば合点がいく(中野先生は、戦後知識人の「啓蒙(パターナリズム)」の行き着く先を否定的に捉えたわけだ)。
- 作者: 中野敏男
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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