美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

ガーリー

「ガーリー」というのは茶渋のようにこびり付いているもの、というのは確か辛酸なめ子先生の名言だが、僕も知り合いのおたま先生(仮名)にある本を薦められて、久々に僕の内部に眠っていた「乙女」が発動し(笑)、一乗寺恵文社に赴いてまとめ買いをしてしまった(まず、この本屋が「ガーリー」さを体現している本屋だよね・・・)。まず、薦められたのはこの本。

文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。

文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。

この作者の人は、mixiで「津野裕子」先生のコミュ主。連載時には津野先生がイラストを描いていた、というのは聞き及んでいた(僕は津野先生の十数年来のファン)。残念ながらこの本には津野先生のイラストはないが、彼の最新作の表紙が津野先生だったので、これも買ってしまう。
文學少女の友

文學少女の友

恵文社には、ガーリーな作家を集めているコーナーがあるので、臨時収入(ちょっと原稿料が入ったのだ)を注ぎ込んでしまう。
父の果/未知の月日 (大人の本棚)

父の果/未知の月日 (大人の本棚)

日本においてレズビアニズムを貫いた存在として、昔から吉屋信子は気になってはいる。
恋人たちの森 (新潮文庫)

恋人たちの森 (新潮文庫)

実は、読んだことがなかったんだよね、森茉莉は。今更だけど、少年愛ヤオイの源流として、彼女のは一冊くらい押さえておいてもいいような気がしてきた。
尾崎翠集成〈上〉 (ちくま文庫)

尾崎翠集成〈上〉 (ちくま文庫)

尾崎翠集成〈下〉 (ちくま文庫)

尾崎翠集成〈下〉 (ちくま文庫)

名前だけしか聞いたことがないけど、この作家も気になる存在ではあったので、この際文庫化されたものを購入。
僕は中学から高校に掛けて、澁澤龍彦に凝っていた時期があったが、その時のような気持ちが復活しつつある。まあ、これはこのところ小難しい学術書ばかり読まざるを得ない状況への反撥でもあるだろう。

追記:上記のセレクトは、意図的に「古典的」なものを挙げたつもりだが、千野帽子さんの本をパラパラ読んで、彼が言及している作家で僕が以前集中的に読んだ作家は、倉橋由美子小川洋子だと思い当たった。倉橋さんの作品は、細かい筋は思い出せないが、その乾いた雰囲気がクールだと思って一時期はまっていたのだ。『妖女のように』という短編集なんか、表題作が「少女の哄笑」というか、そういう雰囲気に充ちていたのを思い出す。

妖女のように (新潮文庫 草 113-D)

妖女のように (新潮文庫 草 113-D)

逆に小川さんの世界はじっとり閉じた共同体の描き方に惹かれたりした。彼女のデビュー当時に数冊読んだ記憶がある。
完璧な病室 (中公文庫)

完璧な病室 (中公文庫)