美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

アホとしか・・・

良い気分で帰宅したのに、新聞を読むと、しょーもない記事に酔いが覚める。
自民党有志の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」というグループが「河野談話が誤った認識の根拠になっている(だから修正すべし、と言いたいだけど、海外で評判をますます落としそうだから今回は見合わせ)」ということを政府に申し入れするんだそうだ。
アホ、としかいいようがない。日本の前途の前に、自分の前頭葉を心配した方が良い。
まず、従軍慰安婦の存在や、その徴用における暴力性は既に歴史学的には決着のついたところであって、今更「無かった」と覆せる類のものではない。軍がどこまで関与していたか、というようなところにグラデーションがあるだけで、「ある・無い」の二元論ではないのだ(もしかしたら、規律正しい皇軍は、虐殺も強姦もせず、悪徳業者に騙されて慰安所を設置してしまったという「新事実」でもあるのだろうか?寡聞にして、そんな純真な軍隊の存在など、聞いたこともないが)。
「無かった」と言い張りたいなら、それこそ「無かったことの決定的証拠」を出さねばならないのに、そういう努力は微塵もしようとしないところもいやらしい(そういう証拠など、出てくるはずもないのだが)。
こういう脳みそがどうかしている歴史修正主義者が政権の中枢にいるというだけで、日本は世界中で評判を落としまくっているのだ。今のままだと、北朝鮮が日本の国連常任理事国入りに反対しているけど、同調する国すら出てくるかも知れない。というか、北朝鮮に「塩を送る」ような真似してどうするよ。心にもないことでも、内政外交のためならいわざるを得ないのが「政治家」という職業だと僕は思っている。常に嘘をつけ、という意味ではないが、それくらいの戦略、戦術もなく、バカ正直に(正直言って、バカなのだが)言えば誠意が伝わる、という考えの方がどうかしている。というわけで、このグループに入っている連中は、事実認識としても大バカだし、政治家としての戦略もないので、二重にダメな人だと僕は結論づけるしかない。