美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

読了

時間を掛けて熟読(したつもり)。池上先生から送っていただいた御著書なので、味読したかったのだ。

近代日本の民衆キリスト教―初期ホーリネスの宗教学的研究

近代日本の民衆キリスト教―初期ホーリネスの宗教学的研究

この本も、当然ながら、大変勉強になりました。まず、ホーリネスといういわば「無視」されてきた集団に対する研究であるという点だけでも貴重だし、また興味深い。それに、僕としては、韓国の同時代の内省的な一派との比較などもしてみたいという気にさせられた(池上先生も最終章で少し韓国のペンテコステっぽい運動との比較について言及していらっしゃるが)。植民地期の朝鮮半島には、早くイエスが復活・再臨してこの世の終わりが来ないかなあ、と待ち望んでいた内省的且つ非常に熱狂的な信仰を持った一派も存在したと聞く(もう一方は独立運動とかに比較的活発に関わる人々で、これまでの歴史学では、どうしてもこちらの方が重視されてきた)。
あと、ちょっとオカルトがらみで、日ユ同祖論(広義には日本人とユダヤ人を選民と見なす思考様式)へとスライドしていく中田重治(ホーリネス派のリーダー)は、やはり興味深い人物だなあ、と思った。