美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

鈴木祥子「ベアフォレストのニューイヤー」@拾得

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本日、京都の老舗ライブハウスの拾得にて、鈴木祥子さんの「ベアフォレストのニューイヤー」と題されたソロライブが行われ、長年のファンである僕は地元と言うこともあり、当然ながら参加しました。今日の京都は雨が降るかどうか、といわれていたのですが、何とか天気は保ってくれました。以下ではいつものごとく、セットリストと僕の感想や、祥子さんのMCの様子を書き留めたいと思います。
時間通りにライブはスタート。祥子さんはトップスは赤のセーター、そしてこれまた赤のタータンチェックのスカートでの登場。今日は拾得にあるアップライトピアノだけで進行していきました。
まずは
1)すべてはO.K.
から始まりました。驚いたのは、祥子さん、歌詞カードや楽譜を持って来ず、全てiPadで済ませていたこと。登場の時、カーテンの向こうで光るものがあり、足元を照らす懐中電灯かな、と思ったらこのタブレットでした。
2)契約 (スペルバインド)
この曲も久々かな。歌詞をよく聞くと「スペルバインド(spellbind、魅了)」というタイトルですが「バブルバインド(二律背反)」が歌われているんですよね。
3)愛はいつも
4)危ない橋
5)わたしの望み
6)When you sing
3曲目から6曲目までは途中にMCも挟まず、そのまま演奏されました。

7)言葉
この曲は祥子さんのアルバムの中でも最も内省的なものである『Hourglass』に入っていますが、淡々と歌うだけではなく、最近祥子さんが感銘を受けたダモ鈴木さんという方の「インスタント・コンポージング」という即興パフォーマンスも少し入っていたかと思います。
8)愛の名前(request)
これは友人のRさんがリクエストしたのですが「あ、これ、元々やるつもりだったのにすっ飛ばしていた」ということで、見事(?)採用。実はリクエストコーナーって、そのアーティストが「今、歌いたい曲」を当てるコーナーでもありますよね・・・(実は、新居昭乃さんもそんなことおっしゃっていました)。
9)愛と幻想の旅立ち(request)
これもリクエストから。

この曲が終わると、「祥子の伝道タイム」ということで、祥子さんが持参した聖書の一節が紹介されました。今回引かれたのは、旧約聖書の『列王記下』のエリヤが出て来るあたり(2章)。「炎の戦車」という言葉が出て来る箇所ですね。僕は旧約聖書をあまりちゃんと読んでおらず、エリヤについても新約聖書でイエスに語りかける聖なる存在として描かれている、というのもぼんやり知っている程度です(例えばマタイ17章)。個人的なことですが、職業柄、もうちょっと旧約聖書のお勉強をしようと思いました(色んな質問に答えられるように)。

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伝道タイムのあとは、再び弾き語りへ。
10)Weaver of Love~愛を織る人~
11)北鎌倉駅
この2曲はレアな選曲ですよね。「北鎌倉駅」は「この歌詞のままのシチュエーションがあり、そのまま歌にした」とのこと。

12)洋楽カバーアルバムから少し(3曲)
祥子さんはこれから洋楽のカヴァーアルバムを作りたいといっており、それに収録するつもりの曲の「さわり」を少しだけ。Billy Joelの「Honesty」、The Carpentersの「Yesterday, Once More」、Queenの「Love Of My Life」(でしたっけ、ちょっと自信なし)が一番、もしくはさわりだけ演奏されました。

祥子さんは邦楽のカヴァー集もやりたいとの意向も示していましたが「徳永英明さんの逆、つまり私が男性の歌を歌う、というのをやってみたい」「松田聖子中森明菜小泉今日子といった人たち以降、みんなが口ずさめる歌謡曲、というジャンルは消えてしまったけど、(女性のならば)そういうのもカヴァーしてみたい」という前振りで、この3人の曲が歌われました。ある意味、今回のライブで一番の驚きだったかも。
13)瞳はダイアモンド松田聖子
説明不要の有名曲ですね、これは。好き嫌いを超越して響くエヴァーグリーンな曲。


松田聖子☆瞳はダイヤモンド


14)今年最後のシャーベット(小泉今日子
今度は超マニアックな曲。これは祥子さんがキョンキョンのバックバンドをやっていた時に演奏していた曲なんだそうです。上田知華作曲、川村真澄作詞。「この曲はいかにも80年代って感じのリズムですよね。これでさっき弾いた私の曲の『言葉』も弾けちゃうんですよね」といきなり始めたのには笑ってしまいました。「シャカタクってこんな感じ(のリズム)じゃなかった?」とおっしゃるので、脳内で勝手に「Night Birds」が再生されました(笑)。


今年最後のシャーベット


15)トワイライト~夕暮れ便り~(中森明菜
祥子さんは同い年の明菜のこの曲がすごく好きらしく「ヒット曲の狭間で目立たない曲なんてネット評もあって」と憤慨していました。来生姉弟のこの作品「スローモーション」「セカンド・ラブ」に負けず劣らず僕個人は大好きですが。こんな美しい「歌謡曲」は忘れられない。


中森明菜 トワイライト

ここからはまたオリジナルの曲に戻ります。
16)たしかめていてよ
これも久々に聴いた気がするなあ。
17)風に折れない花
18)この愛を
19)光の駅
この3曲はシームレスに演奏されました。「風に折れない花」は僕のような男性ファンの根強い支持がありますね(女性でも好きな方いらっしゃるでしょうが、周りを見てもうっとりと聞いている僕を含むおっさんが多数)。「光の駅」は半分アカペラで「歌声喫茶」の様相を呈しておりました。

本編はここまでで、以下はアンコールです。
en.1)東京で生まれた女
関西でのライブでは、ある意味「お約束」な曲かも。ここからは「しばらく(ライブやらないから)会えないし、何でもするわよ」と出血大サービスのリクエスト合戦に。
en.2)旅立つことを決めれば(request)
知り合いのKさんのリクエスト。
en.3)Adios(request)
これまた知り合いのリクエスト。今回はやたら採択率が高いな。
en.4)メロディ

と、6時半から始まって、ほとんどこのハコの制限時間いっぱい(9時まで)までやってくださいましたね。
その後、僕はお腹も空いていたので、ライブ友だちと一緒に、このライブハウス名物の「チキン豆カレー」などを食べていたのですが、祥子さんが楽屋からすぐ出てきてくださり、何か、なし崩し的に「お喋りタイム&撮影タイム」になってしまい、当然僕もそのご相伴にあずかることに。もう思い残すことはありません(とりあえず)。

 
今年の予定としては、恐らく秋あたりまではレコーディングがメインになると祥子さんはおっしゃっていて、ちょっと残念ではありますが、音源を出してくれ、というのも偽らざるファンの希望ですので、首を長くして待っていたいと思います。