美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

『鈴木祥子最新録音集』発売記念誕生日eve×2ライブ「いろいろあったよ、いろいろね」@SARAVA東京


今回は、8月21日の鈴木祥子さんのお誕生日の2日前におこなわれた上記の長いタイトルのライブレポートをお送りします。今回のライブは、タイトル通り、最近発売されたCDの発売記念とお誕生日の前祝い(?)を兼ねたもので、「夏」に関する曲でセットリストを組もう、という企画でもあり、リクエストも事前に行われました(ただし、サザンとTubeは禁止)。以下では、そのセットリストを書いていきます。ステージの向かって左手にはグランドピアノ(以下P)、右には前回のライブでも使用されていた電子オルガンの一種のクラビネット(C)。
祥子さんは上下白のドレスで登場(シースルーのスカート)。まずは、恐らくご本人も「夏というテーマなら、これはやらねば」と思っていたであろう
1. 夏はどこへ行った(P)
そのまま切れ目なしで、キョンキョンに提供した名曲
2. 優しい雨(P)
が歌われました。実はこのライブの開場直前、東京はとんでもない雷雨に見舞われてしまい、僕もライブ会場の近くのBunkamuraにずっと避難していたのですが、祥子さんも最初の一言が「こんな雨の中、良くおいでくださいました」「このところ夏はどこ?、という天気で(笑)」「今日はザンザン降りで、優しい雨じゃなかったですよねえ」と言い、我々も大笑い。その次は
3. Sickness(C)
4. 本当は哀しい関係(P)
「この歌は歌っているうちに、エキサイトして来ちゃう(笑)」とおっしゃっていましたが、確かに今回は「べらんめえ調」な感じがしましたね(笑)。
5. 名前を呼んで(P)
僕はこの曲、凄く好きなんですよね。キャッチーだし転調がものすごく美しいし。この曲の製作過程はこちら。

6. 電波塔(P)
おお、これも久々な気がするなあ。暗い感じの曲ですが、名曲と僕は思います。祥子さんも最初やる気ではなかったそうなのですが、このライブハウスの方に「この曲好きですよ」と言われてやることにしたそうです。

7. メロディ(C)
これにて第一部は終了、ちょっとの休憩を挟んで、カヴァー&リクエストコーナーの第2部が開始。
8. 思い出のサマーブリーズ(Seals and Crofts Summer Breeze)(P)
一気に70年代のアダルトな雰囲気に。祥子さんは日本語の歌詞で一番を歌いました。びっくり。

9. 言い出せなくて(Eagles I can't tell you why)(P)
そういえば、一昔の洋楽にはそれなりの邦題がついていたよなあ、と思いつつ拝聴。この曲、ファンからではなく実は祥子さん自身のリクエストで、「A市の鈴木祥子さんからのリクエスト」とご自身でおっしゃっていて笑いました。
https://www.youtube.com/watch?v=CfJYEmtynlo
10. Cool Night(Paul Davis)(P)

これも祥子さん自身のセレクトですが、上記3曲は「70年から80年代までの洋楽アダルトメドレー」とおっしゃっていました。確かに響きに共通するものがありますね。Cool Night からもう一度 Summer Breeze に戻ってこのメドレーは終了。
11. 泳げカナヅチ君(C)→君は天然色(P)
大瀧詠一さんの2曲を、ピアノとクラビネットを往復しながら。でも「カナヅチ君」を歌っているときの祥子さん、何となく「ジャックたち」の一色進さんに発声の仕方が似ていたような(笑)←個人の感想です。
12. 夏のクラクション(P)
稲垣純一のヒット曲。祥子さんのドラムの師匠だった藤井章司さん(一風堂ドラマー)が稲垣さんのバックバンドにいて、「師匠」のローディをやっていた祥子さんはかぶりつきで見ていたそうな。

13. 真夏の夜の事(初恋の嵐)(P)
祥子さんのこの曲のカヴァーを聞くのも久しぶり(大分前に、京都の拾得で聞いたっけな)。祥子さんのカヴァーによってこのバンド(中心メンバーが早世しましたが)の存在を知り、CDも買ったのだよな。祥子さんも「シンガーソングライターって、(こうやって歌い継がれるならば)死んだあとも歌は残っていくもんなんですよね」とぽつり。この一言は、僕にとってzabadak吉良知彦さんやICEの宮内和之さんの事を思い出させずにはいられませんでした。

14. Love is a sweet harmony(P)

15. 星のまばたき(P)
祥子さん自身の曲を。後者はこの前のライブで初披露された新曲。やはりこの曲、最初のメロディが良すぎる。早くアルバムに収録されないかなあ。ここで第2部は終了。アンコールの拍手に呼ばれて戻ってきた祥子さんは、スカートと上着を脱いで、Tシャツと白い短パンという夏らしいお姿に。そしてそのTシャツには、恐らく手書きの「Bearforest Record」のクマが!これ、商品化されたら、もちろん買いますよ(笑)。
e1. Sweet Drops(C)
Puffyに提供したこの曲、祥子さんは「バディ・ホリーに影響を受けて(作った)」と言っていました。
e2. 月とSnapshots(C)
これも夏を感じさせる曲ですよね。
e3. 風の扉(アカペラ→C→P)
最後はこの曲。客席の何割かは歌詞を覚えているので、一緒に歌わせてもらいましたが、祥子さんの「歌唱教室(歌声喫茶みたいとも)」、毎回要求レベルが妙に高くないですか?(笑)ライブはこれにて終了。
このところ、結構な頻度でライブをやってくださるので、ファンとしてはそれだけでも満足なのですが、欲張りなファンはニューアルバムを待望しちゃいますね。しかも素晴らしい新曲がいくつかライブで披露されていますし。10月には京都拾得でライブがありますし、またそこで会おうね、と常連のファン仲間の方々と打ち上げのあと手を振り解散。