美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

雀を素手で

今朝、ドアを開けたら、いきなり目の前を何かが横切った。何かと思えば、マンション内に間違って侵入してしまった雀だった。うちのマンションは、入り口は1階だけで、2階、3階(僕は3階の住民)の窓は排気のために手前側に斜めには開くが、その外には網戸が嵌め殺しになっていて、雀を逃してやることができない。ギーギーうるさいけど、自分で逃げ道探してね、と思って、1階の入り口のドアを開けっ放しにしておいたのだが、帰宅してもまだそいつは3階の廊下(要するに僕の家の前)を行ったり来たりして、脱出には成功していなかった。どうも鳥は階段を下るという発想がないらしく、僕が逃げ道を塞いで下方向へ追いやろうとしても、僕の頭上をかすめて、結局は行き止まりの3階の廊下を往復するのみ。
一瞬見失い、鳴き声が止んだと思ったらもう奴は廊下の隅っこでじっとしていた(恐らく疲れ果てたのだろう)。もうこうなったら、素手でつかまえてやれと思い、ナウシカのように「怖くないよ」とささやきながら(嘘)、上から被せるように手を出して、捕獲成功。雀を素手で掴むのは初めて。人の気も知らず(当たり前だが)、最後の力を振り絞ってギーギー鳴きながら悶えるが、僕は急いで階段を駆け下り、外に逃してやる。一件落着。
別に怖い獲物でもないのに、アドレナリンがどっと出て、鳥肌も立ったし、汗もかいちゃいましたよ。狩猟ってしたことないけど、こういう緊張感が癖になる人、いるんだろうな、とぼんやり思ったりもした。

追記:僕は一人で狭い廊下を行ったり来たりしているとき、遠く世田谷区ではこんな事件が・・・。やっぱり間近で見る雀は可愛いです。