美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

ようやく見たよ

今日、満員の京都シネマにて、ようやく映画『靖国』を見ました。こう言っちゃ何だが、ここまで大騒ぎするほどの内容では決してない。この程度の内容で騒ぐとすれば、余程ケツの穴が小さいとしか言いようがない(下品で済まぬ)。観客の年齢層は、圧倒的に年配の方々。平均年齢も、もしかしたら60歳を超えているんじゃないか、という感じ。
がなり立てて恫喝する「右」の醜さ、愚直に体当たりしてはじき飛ばされる「左」の拙さの両方をしっかりレンズに収めた非常に「目の行き届いた」映画、と評するのが正しかろう(例えば、靖国の境内で「小泉靖国参拝反対」と叫んでこずきまわされる「左」の青年に対して「中国へ帰れ」と何十回と怒鳴ったオッサンをカメラに収めた李監督の冷静さはただごとではない)。僕個人は、前も複数の場で言ってきたけど「祀りたい人、祀られたいと推測される人だけで靖国は運営されるべし。離脱権を認めよ」と言うところ。
一番緊迫した場面は、実は最後のあたり、刀匠の刈谷さんから李監督に「あなたみたいな中国人は、小泉さんの靖国参拝、どう思っているの?」と逆に聞いてきた場面だったと思う。李監督は議論を避けて「刈谷さんは?」と質問に質問で返すことをしていたが・・・。
最後、古いニュース映像や写真でざっと日本の近代天皇制と軍国主義靖国の関係を総ざらえするシーンがあったが、少し長すぎたように思えたのが残念。まあ、予備知識がない人(特に外国人)には必要な部分かも知れないけど。
でも、あれを検閲しようとした稲田某なんかは、きっと自分のカメラ写りを気にして介入しようとしたに違いない(笑)。