美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

温故知新

昨日、一緒にカラオケに行った教え子が「小沢健二フリッパーズギターが好き」という発言をして、同時代的に彼らを愛していた僕はびっくり。自慢ではないが、僕は一度大学の学生課の窓口で、留年手続きをしていたであろうオザケンと偶然すれ違ったりしているのだ。彼女には、僕が持っているフリッパーズのアルバムを貸してやることを約束したのだが、その前に聞き直そうと思い、実に十数年ぶりに(これは誇張ではない)、彼らの実質上のラストアルバムを聴いた。

ヘッド博士の世界塔

ヘッド博士の世界塔

そうそう、この音だよ。でも、このアルバムは、なんてもの悲しいんだ。もちろん、この後解散することを既に知っている現在の僕の「後知恵」であることは承知しているが、解散に向けて、エネルギーが放散されていくようなこの作りはいったい何なんだ、と思わざるをえない。The Smithsの『Strangeways, Here We Come』と同様のもの悲しさだ。これは「自分たちへの挽歌」なのだ。
そして、自分自身に対する「挽歌」を奏でられるバンドは、本当に少ない。