教養主義者
ちくま新書の「身も蓋もないシリーズ」(勝手に僕が名付けた)の二冊を立て続けに、大笑いしながら読む。特に高田さんの嫌味のいくつかは、「そこまで言うか」というくらい強烈。
帰ってきたもてない男 女性嫌悪を超えて (ちくま新書 (546))
- 作者: 小谷野敦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/07/06
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- 作者: 高田里惠子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/06/06
- メディア: 新書
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で、この二冊を大笑いして読む僕は、筋金入りの「教養主義者」であることを再確認。かつて学生、そして今や教員として文学部の軟弱さを背負っているということもさることながら、「やっぱ、これくらいは知っておかないとね」という量的な知識を結構重んじる、という意味での教養主義者だ。
そして、特に高田さんの本を読んで、彼女のねらい通りマゾヒスティック(自虐的に)に笑う僕は、「いやったらしい」共同体(要するに「生まれ育ち」が優先される「遺産相続者」たちの群れ)を心のどこかで唾棄しつつ且つ羨望し、そしてそれに入ろうともがいているのかも知れない。結局僕は、典型的な「立身出世主義」を心のどこかで信奉して、それをよりどころに生きているところがあるのだろう。
で、思ったのが、高田さんの周りの「男」たち(具体的には東大の独文業界の男たちだが)、相当「ろくな奴」がいなかったんだろうね。