美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

大傑作

久々に、真夜中に読んで興奮してしまい、寝付けなくなってしまった。僕にとっても、久々の大傑作。

戦争と一人の女

戦争と一人の女

僕は長年近藤ようこ先生を愛読してきたが、今回の坂口安吾原作シリーズの第3作目は、文句なし。というか、空恐ろしささえ感じてしまった。
内容は読んでいただくしかないのだが、女の「虚無」とそれにぶら下がる(と表現した方がいいだろう)男の関係の哀しさと「収まりの良さ」。
読み始めたら、同じく安吾原作の「夜長姫」を思わせる虚無を抱えたキャラかと思ったら(近藤先生の漫画化でも、姫は虚無そのものとして描かれている)、この作品の女の方が「自分自身を分かっている」分、業が深いと思いました。それ故に男の側にも女への愛しさも生じるのでしょうけど。勢いで「青空文庫」にあった原作をも読んでしまったが、あとで近藤先生から「あれは検閲済みですから無削除版をお読みになったら」と教えていただく。とにかくお勧め。
夜長姫と耳男 (ビッグコミックススペシャル)

夜長姫と耳男 (ビッグコミックススペシャル)