美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

宗教論というより家族論

買ってはいたが、まだ見ていなかった『カナリア』を見る。
この映画、「ここまであからさまでいいの」と言うくらい、架空の教団を忠実に「オウムっぽく」作っています。

カナリア [DVD]

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主演の二人がいいですねえ。特に谷村美月ちゃんは、マジで可愛い。石田法嗣君も、うまいねえ。
甲田益也子さん、相変わらずの存在感。歌声もすてき。
主人公の二人が旅の途中で会うりょうとつぐみ、ちょっともったいない使い方のような気がしました。
この映画の感想ですが、おおざっぱに言って、「宗教論」もさることながら、結論としては「家族論」がメインテーマでしたね。『誰も知らない [DVD]』同様に。

ちょうど今から13年前、東大の駒場祭に、オウム真理教の連中が来ていたことがあった。僕と宗教学科の友人はその後、連絡先をそのイヴェントで向こうに渡していたので、早速東大裏のマンションに呼び出され、色々レクチャーを受けたのを思い出す。あのとき僕らを接待してくれたのはホーリーネーム「アーナンダ」こと井上嘉浩さんだった。今だから一種の「青春の一コマ」で済ませられるけど、結構危ういところすれすれだった。この映画で主人公を見つめるもと教団幹部役の西島秀俊を見ていると、井上さんのことを思い出してしまった。