美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

ダラダラ続く戦前と戦後

買いましたよ、読みましたよ、最終巻。

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

何と言ったらいいのか。強烈な感動はないが、じわじわ来る。こうの先生が後書きで言っているとおり、「この作品では、戦時の生活がだらだら続く様子を描」いているわけだが、その後の戦後も劇的な変化はなく、そのままダラダラ延長して続いていたであろう様子がきちんと描かれている。こういう作品は珍しいのではないか。
印象深かったシーンは、玉音放送の直後の描写。ネタバレになるので実際に見ていただきたいが、大日本帝国のついていた嘘を、嘘と知りながら信じていたかったすずのような人間は多かっただろう。