美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

親のエゴ

明日の『カルトとスピリチュアリティ―現代日本における「救い」と「癒し」のゆくえ (叢書・現代社会のフロンティア)』の書評会に備えて、関連書籍を斜め読みしているのだが、今日は家でこれを読んでいた。

我らの不快な隣人―統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇

我らの不快な隣人―統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇

米本さんはかつて『カルトの子―心を盗まれた家族 (文春文庫)』とか『新装版 洗脳の楽園』などで積極的にカルト批判をしていたルポライターだが、この本では統一教会の事例から「親による強制的な脱会工作(いわゆる「拉致監禁」「ディプログラミング」)は果たして正しいのか?」という問題提起を行っている。米本さん自身も自分のカルトに対する評価の「揺れ動き」については勿論自覚しているが、後書きで「親の思いを押しつけられる子どもの視点に立っているだけ」とまとめている。まあ、そうなんだけどね・・・。
親子関係はまさにケースバイケースだし、親だって完璧じゃないし、エゴを押しつけちゃうよなあ、というしょーもない感想しか出てこないのだが、他の場面でも「善意の押しつけ」にはできるだけ自覚的でいたいとは思っている。どっちにも肩入れしちゃうよな、こういう問題は。