美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

どうやったら間違うんだか

登校してみると、僕の研究室前に、見知らぬ女子学生が一人佇んでいる。あれ、誰だろうと思っていたら突然「先生、わたし、先生のゼミ取りたいんです」。おやおや、他学科か他学部の学生かな、と聞いてみたら隣の学部。でも話が食い違う。だって僕の学部ゼミは月曜日。彼女はこの木曜日の午後にゼミがあると勘違いしている。ということは・・・。やはり、彼女が所属している学部の同姓の先生のゼミと間違えていた。でもねえ、君、お隣の川瀬先生が着任なさって、一年経っているんだよ。それに向こうは僕みたいな駆け出しとは違って、とてもえらい経済学者で、教授なの。表札の「准教授」というのを見て「おかしいなあ」と思わなきゃダメ。しかも、妙に偉そうな大学院生程度にしか見えないと評判の僕の顔を見て疑問に思わないとは、もっとダメ。ガイダンスで先生方の顔を見なかったのかね。
ホント、一度思いこんだら、自分の誤解を自力で解くのは難しいんだなあ、と思いました。