美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

日韓の教会比較

今、書評のためにこの本を読んでいる。ずっと前に買ったままだったのだ。
尾形守『日韓教会成長比較』ホープ出版、1997年。(はまぞうで出なかった)
書いている人は牧師さんで、要するにこれも宣教学系の神学書。民族的苦難を絶えず経験してきた朝鮮民族が、日本人よりもキリスト教に傾きがち(キリスト教の本質を理解しやすい)、というのは、神学的な弁証としてはうーん、と思うところだが(うーんと思っちゃうところが、僕の不信心者たる証拠)、朝鮮半島宗主国と宣教国がずれている、という珍しい状況ではあったから(普通の欧米の植民地では、宗主国=宣教国で、「原住民」は宗主国に対してアンビヴァレントな感情を持つことがあらかじめ定められている状況だった)、そのズレがキリスト教布教にはプラスになったかも知れないが、注意すべきは、キリスト教が急激に伸張したのは戦後の軍事政権下であること。
なおこの著者は、いわゆるニューエージブームへの批判書も書いているので、業界的には(我々の狭い業界の話だが)知られた人であると思う。