美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

イデオロギー

について、もっと僕は色々知らねばならない。

イデオロギーとは何か (平凡社ライブラリー)

イデオロギーとは何か (平凡社ライブラリー)

昔、読みかけたのだが、分厚さに負けて途中で止めていたけど、ちゃんと読もう。無理矢理ゼミテキストにしてやろうかという悪だくみも浮かぶ。

ちょっと読んだことのメモ。イデオロギーとは、

(1)匿名的な主張であり、普遍性を主張する(「もちろん」「いうまでもなく」という形を取りがち)。理由や起源がよく考えると判らない言説ともいえそうだ。要するに、自分自身を批判的に考察することができない言説である。

(2)普通我々は自分の考えを「私はイデオロギー的な考えを持っている」と思わない。つまり、イデオロギーとは、外の人間が観察して初めて「暴かれる」類の観念である。ある意味イデオロギーは口臭や寝癖に似ている。

(3)事実を描写するというより、意志・希望・ノスタルジーを表明する性質のものである(アルチュセール)。言い換えれば「事実確認的constative」ではなく、「行為遂行的performative」なものである(オースティンの言葉)。つまり、何かを記述するのではなく、「呪い」「祝福」「説得」など何か事をなす言語行為なのである。「Black is beautiful」という言葉は、アメリカの黒人運動のスローガンだが、これは事実を描写したものではなく、そうあるべきである、そう思うべきであるという挑発と自己肯定を行う修辞的なものである。
etc.