似たもの同士・ネガとポジ
今日読み終わったのはこの本。
5人の先生の講義録のような体裁なので、サクサク読める。僕も、近代日本思想史(と自称しても許されると思う)研究に携わっているので、元々興味のある話が多く、特に今まで謦咳に接することのなかった(本も積ん読のまま)植村和秀先生のお話が特に面白かった。植村先生の話をザックリ紹介すれば、近代日本思想史の見取り図として「理」と「気」という2軸で象限図を作り、「理」の左側に丸山眞男、右側に平泉澄を置く。そして「気」のプラスの頂点に西田幾多郎、マイナスの方に蓑田胸喜を置く(p.237)。詳しくは本文に当たられたいが、交通整理としては、非常に良くできていると思う(植村先生はもう一つ軸を作って三次元にしたい、とおっしゃっているが、それはどうだろうか。単純に考えて、8つの理念型って、却って使いづらい気もするけど。もちろん、僕などがあっと驚くまさに「新機軸」が今後出てくれば、楽しい)。影響されやすい僕は、積ん読状態になっている植村先生の本を、恐らく来年の大学院ゼミで使うと思います。
- 作者: 植村和秀
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2004/10/01
- メディア: 単行本
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「日本」への問いをめぐる闘争―京都学派と原理日本社 (パルマケイア叢書)
- 作者: 植村和秀
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 単行本
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