美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

上に立つ器

なんか、かつてのプレジデント誌の「戦国武将に学ぶ部下掌握術」とか、そういうのと誤解されちゃいそうだけど(笑)、まあ、僕の言いたいことはそれに近い。またまた、例の橋下大阪府知事のこと。
潰すことを計画中の(ここ重要)「国際児童文学館」の職員の働き具合を隠し撮りしていた、という記事だ。
「民間では」と橋下やその支持者は二言目には言うけど、そういう「民間の論理」自体が異常だ、とは思わないのかなあ。四六時中仕事を監視カメラでチェックしていて会社の上の人間はそれを元に恫喝する、なんていう職場はまっぴらごめん、っていうのが「普通」の感覚なんじゃないの、と素朴に思ってしまう。
お客に扮装して接客態度をチェック、なんて話は聞くけど、デスクワークの人を撮影して、その「やる気」の有無なんてどうやって見分けるのか。まさか「心眼」だなんて言わないよね。例えば、その撮影の瞬間たまたま何かの調べ物で何らかの本を読んでいた職員は「仕事せずに本を読んでいる」なんていう風に見られる可能性があるわけだけどさ。その撮影映像の切り貼りによって、いかようにも「材料(攻撃にせよ擁護にせよ。まあ、この場合は完璧に「攻撃材料」だけどさ)」は作れてしまうのだ。そのあたりの「恣意性」については宮本大人さんが全て代弁してくださっているので、贅言は控える。
ともかく、「こんなことして部下が付いて来るか」ということを橋下氏は見失っているとしか思えない。上に立つ器じゃないよね、端的に。
この件に関しても、教育委員会に関しても、最近の橋下氏のやり方は「叩きやすい敵(というか、叩いても文句をいわないような相手)」を作って、それを叩くことで支持を集めるという魂胆が見えすぎ。