美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

癒されつつ瞑目

最近、大学で自分の研究ばかりしているから(当たり前だが)、電車の中では自分の専門から少し離れた本ばかりぐいぐい読んでいる。今読んでいるのは、この本。

2年前に某学会でお目に掛かって(向こうはお忘れかも知れないが)、前作『沖縄イメージの誕生―青い海のカルチュラル・スタディーズ』も読んでいたので、これも買って今読んでいるが、まあ、テイストは前作とほぼ似た感じですね。僕は後期の大学院ゼミで、鹿野政直先生の「沖縄論」を読もうと考えているのだけど、どのあたりを読もうかな。鹿野先生の沖縄論がまとまっているのは、以下の二冊。
鹿野政直思想史論集〈第3巻〉沖縄1 占領下を生きる

鹿野政直思想史論集〈第3巻〉沖縄1 占領下を生きる

鹿野政直思想史論集〈第4巻〉沖縄2 滅却に抗して

鹿野政直思想史論集〈第4巻〉沖縄2 滅却に抗して

僕の沖縄に対する態度って、タイトルに書いた通り、「ああ、やっぱ沖縄って良いなあ」と癒されつつ、沖縄の苦難の歴史にも思いを馳せるという、ありきたりのもの。どういう態度が「正しい」か、という問題は泥沼になっちゃいがちだけど、自戒したいのは「自分のポジショナリティ」だけに腐心して、結局対象となっている地域や住民のことがいつの間にか吹っ飛んでしまわないように、ということだ。「俺はこんな態度をとっていて良いんだろうか」という自問自答はそれ自体誠実さの現れかも知れないが、あんまり「生産的」ではなかろう。