美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

ダブルバインド

今日、二年生向けの基礎ゼミで読んでいたのはこれ。

この手の問題はどうしても、マイノリティの保護やある種のアファーマティヴアクションは当然だが、マジョリティをどのように遇するか、というところに行き着く。あっちを立てればこっちが立たず、というダブル・バインド状況に行き着きやすい、ということだ。
本文中に「日本のお上の世話になることを恥とする文化(なかなか公的支援を受けないということ)」というようなフレーズが出てきたので、定番だがルース・ベネディクトの『菊と刀』の「恥の文化」の話と、そこから延長してマーガレット・ミードとレズビアン関係にあったんだよ、というようなトリビアを語り、ミードの元夫のベイトソンの「ダブル・バインド」の話(本文中に、外国人の子供は高校に行きたくても学力が足りなかったり、中卒で働きたくても職がないなど、高校に行っても行かなくても困った状態になっている、というのをダブル・バインドという言葉で表現していたのだ)と、自分でも予定もしていなかった「文化人類学概説」みたいな話をして間をつないでしまう。
その必死振りが伝わったのか、学生の数名はニヤニヤして生暖かく見守ってくれていたけど。
ダブル・バインド状態で宙ぶらりんになるのは確かに気分が悪いし、僕もどうやって授業を収拾しようかと思ったけど、敢えて「単純な解決策はなく、ケースバイケース(個別状況を尊重すると、どうしてもケースバイケースにならざるを得なくなる)なのだから、いざというときには考えようね」とお茶を濁す
マーガレット・ミードとルース・ベネディクト

マーガレット・ミードとルース・ベネディクト