毒舌
電車の中で、養老先生の本を流し読みしているが、これはひどいね。何がひどいかというと、その毒舌振りが、だ。
- 作者: 養老孟司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/12/06
- メディア: 新書
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この本は恐らく語りおろしで、ちゃんと裏を取った論文じゃない「思いつき」だから、いくらでも突っ込むことはできるけど(例えば中国に対する臆断とか)、そういう読み方はそれこそ「馬鹿らしい」ことになるだろう(このあたりの意地悪さが、さすが養老先生だと思う)。そもそも「身も蓋も無さ」がこの本の真骨頂だし。
でも、無思想だからこそ最強の強さを発揮している自民党など、「日本の無思想」という思想は、検討の余地がある。戦前の思想史をやっている身としても、戦前の言論人のあまりな「いい加減さ」に呆れてしまうことがあるが、思想への不信(不在)と実感信仰(こうなると、丸山真男の議論だ)の補完的関係という指摘は、別に養老先生が初めてじゃないけど、改めて考えさせられた。