美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

高校不履修問題

どんどん「発覚」して、どこまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞってな様相を呈しているが、これ根が深いですよ(僕の高校は、当時は毎日7時間授業だったから、さすがに「漏れ」はないと信じたいけど)。
要するに受験に関係ない教科は、お上の目をかいくぐってでもやらずに済ませ、合格実績を挙げたかったという切ない事情が特に地方の進学校にはあった、というのが大きいんだけど。教育委員会も、日の丸や君が代の方で忙しくて、こっちの方に目が行き届かなかったのかな。

今回の問題は、入試を出す大学側の問題でもあるので、大学教員のひとりとして、座視するわけにはいかないだろう。国公立は後期試験を無くす方向に進んでいるから、2、3科目だけで入るのは難しくなりつつあるけど、必修=入試に関わらざるを得ない、という「強制」もある部分必要かな、と思う。

中央で「○○(最近気がかりなことを何でも入れましょう)は憲法、戦後教育、教育基本法のせい」というテンプレの居酒屋談義の呑気ぶりを示している間に、現場ではえらいことになっていたわけだ。こういう「ずる」は、何が原因の「精神の腐食」だと言い募るつもりでしょうかね、中央は。