美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

休日出勤

このところ体調が悪く、放課後仕事ができなかったので、休日出勤して、ゼミや講義準備をする。
ただいまゼミでは、近代日本のセクシュアリティにまつわる議論をしているのだが、今度からガチで、(余りにもメジャーではありますが)与謝野晶子平塚らいてう山川菊栄達の論説を読んでいく予定で、今どの論説を読むかの選定作業をしている。
でも、読んでいて思うのは、「この言葉、今の時代にもそのまま通じちゃうなあ」ということ。

氏が努力を尊び、奮闘を重んずるのあまり、いっさいの社会的困難は個人の努力一つで解決せらるるものであり、個人が貧に苦しむのは自己の努力の不足に起因する、いわば自業自得の結果であるといったような、きわめて手軽な安価な、そして紳士閥社会の理論を裏づけるような結論に到達されていることは、氏のために惜しまざるを得ぬところである。(山川菊栄「母性保護と経済的独立」、『山川菊栄評論集』岩波文庫、pp.67-68)

これは山川菊栄与謝野晶子の論説を批判したものであるが、昔からこの論争って続いているのね・・・と感を新たにした。