美徳の不幸 part 2

Pity is akin to love.

すいません、今更なんですが

自分でもびっくりするくらい(風邪気味なのにもかかわらず)例のはあちゅうさんが書いたエントリに反応してしまい、ブックマークを付け、そして彼女に言及しているブログに飛びまくりで、貴重な休日が終わろうとしています。
で、ここから思いつきのメモ。

1)多くの人が述べているように、突っ込みどころはありすぎだが、一番の問題は自分自身の「既得権益」に対する無自覚だと思う。これは、社会構造の問題を等閑視して、個人の努力の問題に帰せてしまう彼女の論法に現れている。こういうのは、ブックマークのコメントに書いたが最強の「保守」なのだ。世襲議員とかと相通じる部分があると思う。

2)彼女は有名大学に在学中で、恐らくそれほどの苦労は経験していないと思う(僕だってそうだ)。だから、彼女の言う底の浅い精神論って、恐らく10年前の僕も言っていそうな感じがして(全部テレビや新聞の受け売りで)、それで激しく反応してしまったのだろう。昔の自分を見せられるようで・・・。

3)自分でもそこそこ「苦労」をして(そう自認できるほど、という意味。第三者の評価は別です)学歴とかを獲得した人間は、その「努力」が自分を支える柱になっているから、ついつい「もっと努力すれば」と他人に言ってしまいがち(ついでに言うと、大学教員に最も多いタイプはこれ)。
この「姑根性」もしくは「下士官根性」ともつながる意識は、思いの外大きい問題だと思う(我が身を振り返って)。僕が彼女を批判しきれない理由もここにある。彼女はそれを「人間力」とか、流行の言葉を使っているけど、言っていることは古くさい「わたしも苦労してここまで来たんだから、グチャグチャ言わずに努力しろ」という昔ながらの「お説教」なのだ。それを「小娘」が言っているので、余計反発を招いたわけだが(笑)。まあ、「小娘が言っています」と最初に「わたしは自分が小娘だって判っていますよ」というジャブの打ち方は、高度だけど。